ダイスの種類と使い方
ダイスとは
ダイスは、おねじを切る工具です。ダイスには、内径を微調整する為の調節ネジ付きのものもあり、目的に合った「ネジ径」を適切に選び加工を行ってください。 また、ダイス自体の材質として「ハイス(HSS)」「合金工具鋼(SKS)」等があり、JIS規格により主な成分が規定され、主成分の違いにより SKS11, SKS2のように表記記号が異なります。
使い方として、ダイスハンドルなどを使うものやレンチなどで作業が行えるものがあり、既存のネジ山の修復にも利用できます。
ダイスの種類
種類 | 特長 |
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メートル並目ねじ用ダイス | メートル並目ねじのねじ切りに用いるダイスです。 |
メートル細目ねじ用ダイス | メートル細目ねじのねじ切りに用いるダイスです。 |
ユニファイ並目ねじ用ダイス | ユニファイ並目ねじのねじ切りに用いるダイスです。 |
ユニファイ細目ねじ用ダイス | ユニファイ細目ねじのねじ切りに用いるダイスです。 |
丸ダイス | 外形が円形のダイスです。寸法調整ができるものとできないものとがあります。 |
調整ねじ付きアジャスタブル丸ダイス | 調整ねじで寸法調整のできる丸ダイスです。調整ねじとは、寸法を調整するねじのことです。接線方向の調整ねじと半径方向の調整ねじとがあります。 |
六角ダイス | 外形が六角で、寸法調整ができないダイスです。 |
割りこまダイス | 寸法調整するために二つに割れているダイスです。 |
ばねダイス | 寸法調整ができる円筒形のダイスです。 |
テーパダイス | テーパねじのねじ切りに用いるダイスです。 |
合金工具鋼ダイス | 刃部の材料に合金工具鋼を使用したダイスです。刃部とは、ダイスの切削に直接あずかる部分のことです。切れ刃、すくい面及び逃げ面からなります。 |
高速度鋼ダイス | 刃部の材料に高速度工具鋼を使用したダイスです。 |
超硬ダイス | 刃部の材料に超硬合金(炭化タングステンを主体とした焼結体)を使用したダイスです。 |
直溝ダイス | 溝が軸線に平行なダイスです。 |
ねじれ溝ダイス | 溝が軸線に対してねじれているダイスです。右ねじれと左ねじれとがあり、スパイラルダイスとも言います。 |
スパイラルポイントダイス | 食付き部の切れ刃側を数山斜めに削り取って、切りくずが容易に進行方向に排出されるようにしたダイスです。食付き部とは、ダイスが工作物に食い付いて、切削しながらダイス自身を案内する部分のことです。 |
研削ダイス | ねじ部を研削仕上げしたダイスです。ねじ部とは、食付き部(ダイスが工作物に食い付いて、切削しながらダイス自身を案内する部分)を含んだねじ山のある部分のことです。 |
切削ダイス | ねじ部を切削仕上げしたダイスです。 |
窒化処理ダイス | 刃部の材料の表面に窒化処理を施した工具材料を使用したダイスです。刃部とは、ダイスの切削に直接あずかる部分のことで、切れ刃、すくい面及び逃げ面からなります。 |
酸化処理ダイス | 刃部の材料の表面に酸化処理を施した工具材料を使用したダイスです。 |
化酸化処理ダイス | 刃部の材料の表面に窒化及び酸化処理を施した工具材料を使用したダイス。 |
※ねじ切りとは・・・ダイスでおねじを加工することをいいます。
ダイスの使い方
ここでは六角サラエナットダイスの使い方について説明します。
1. ネジ山を補修するボルトに六角サラエナットダイスの刻印の面を接するようにセットします。
2. 六角サラエナットダイスをボルトに2~3回転させて取り付けます。
3. モンキーなどの六角ナット用スパナで六角サラエナットダイスを回してネジ山を補修します。