センサーの種類と選び方
センサーとは
センサーにはさまざまな種類があります。人間の目の代わりをつとめ、目の前を横切る物体を感知する単純な仕組みのものから、空気や液体といった人間の目には見えづらい物体を検知できるものもあります。また、物体から特定の成分や組成を検出したり、肉眼では識別できない極小の物質を見極めたりすることも可能です。
センサーの種類と選び方
センサーは、使用目的に応じて多くの種類がラインナップされています。センサーの仕様によっては、複数のセンサーが同じ検体に利用できますから、その場合は形状や検出距離の違いで選ぶことができます。
一般的に、センサーは「検出方式・対象」、「検出距離」、「センサ形状」、「ヘッド形状」の違いで分類することが可能です。
検出方式・対象で選ぶ
センサーの検出方式や計測する対象別に選ぶことで、もっとも目的にあったセンサーを絞り込むことができます。
ファイバセンサ(非接触)
光の屈折率を応用して物体を検知します。幅広い検体に応用可能で色彩までも判別可能です。
変位センサ(接触)
磁気検出方式や差動トランス方式が採用される測定方法です。変位センサは対象の物体までの距離を計測することで大きさの変化などを検知します。検出方式によっては非接触の超音波変位センサや光学式測長センサなどもあります。
コードリーダ/OCR(非接触)
カメラ等でとらえた画像をデータ化するセンサーです。QRコードやバーコードリーダーのデータを正確に反映します。
近接センサ(非接触)
非接触のセンサーの総称でさまざまなセンサーが近接センサに該当します。金属や液体、粉末などさまざまな対象に応用できます。
ロータリエンコーダ(接触)
回転の機械的変位量を計測します。回転変位量に準じて信号を出力するインクリメンタル形と回転しなくても絶対位置が検出できるアブソリュート形があります。
中空軸タイプエンコーダ(接触)
ロータリーエンコーダの回転軸が中空形状になっているもので、ホローシャフトタイプともよばれています。
リニアエンコーダ(接触)
位置を測るヘッドとスケールで構成されており、磁気を利用して対象の変位量を検出するセンサーです。絶対値を計測するアブソリュートと相対値を計測するインクリメンタルがあります。
圧力センサ(接触)
対象を感圧素子で計測し信号として出力するセンサーです。シリコンダイヤフラムやステンレスダイヤフラムを用います。液体、気体と対象は幅広いですが対象物によって専用のセンサーが必要です。
光電センサ(非接触)
光の持つ特性を利用して対象を検知するセンサーです。光を照射する投光部と受信する受光部で構成されています。センサーに使われる光線は可視光もしくは赤外光がほとんどです。
超音波センサ(非接触)
対象物に照射された超音波が跳ね返ってきたものを受信し、対象物までの距離などを測定します。光電センサとの違いは、色の影響を受けないためガラスなどの透過性の高い物体でも計測が可能なことです。
振動センサ
振動ピックアップともよばれるセンサーで、振動の持つ加速度や変位などを測定することが可能です。通常、20G以下の測定で用いられるセンサーを低G加速度センサ、20G以上の測定で用いられるセンサーを高G加速度センサと分類します。
検出距離で選ぶ
近接センサの場合、対象との適正距離が設けられていることが一般的です。検出距離は近いものだと0.5mmから、1000mmを越えるものまで幅広くあります。
複数のセンサーを使用する場合は、センサー同士の距離も重要になっています。カタログスペックに記載されている(定格)検出距離、設定距離を参考にして適正な位置に配置する必要があります。
センサ形状で選ぶ
変位センサひとつ取っても、特殊な対象物でなければ光学式、リニア式、超音波式などさまざまなセンサーを利用することができます。それぞれのセンサーは形状もサイズも違いますから、自社の状況に合わせて選ぶことが重要です。
ヘッド形状で選ぶ
板金加工の金型生成などに使用するセンサーの場合、使用目的に応じてさまざまな形状のヘッドに交換することが可能です。センサーの交換は互換性があることはもちろん、対象物までの距離なども重要になってきますから、製品ごとのカタログスペックをよく把握する必要があります。
センサーは、製造業だけでなく各種研究機関やサービス業など、さまざまな分野で幅広く利用されており、その種類も多岐にわたります。センサーを利用して業務の能率を上げるためには正しいセンサーを的確な場所に設置する必要があるのです。それぞれの持つセンサーの特性や種類を把握し適切なセンサーを選ぶようにしましょう。