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ベアリングのはめあい

ベアリングの仕組みを考えた場合、軸と穴にはすきまが存在します。軸受をしっかりと固定するためには、転がり軸受に対し、「しめしろ」と呼ばれる構造を与えることが有効とされています。ここでは、ベアリングに欠かせない、はめあいについて解説します。

はめあいについて

ベアリングは、軸とハウジングにはめあわせて機能します。「はめあい」とは、軸と内輪、ハウジングと外輪がはめあわされる時の硬さの度合いを指します。転がり軸受は、内輪・外輪を軸やハウジングに固定して荷重を受ける構造。また、転がり軸受の働きとして、軌道輪と軸、もしくはハウジングのはめあい面で、「ラジアル方向」「アキシアル方向」または「回転方向」に相対する動きが発生しないようにするといった点が挙げられます。

「はめあい」には、軸受の穴の寸法が軸の寸法より小さい場合の差である「しめしろ」があるかどうかによって、「しまりばめ」「すきまばめ」「中間ばめ」といった種類に分けられます。軸受を確実に固定するための最も有効な方法のひとつが、軌道輪と軸、もしくはハウジングとのはめあい面にしめしろを設計してあげること。そのしめしろを、「しまりばめ」とする方法です。また、この方法で設計することで、軸受の負荷能力が損なわれないというメリットもあります。

ただし、しまりばめを採用すると、軸受の脱着作業の簡便性を失うといった点も考慮する必要があります。また、自由側の軸受に非分離軸受を使用する際には、アキシアル方向への移動ができない点も考慮しなければなりません。そのため、しまりばめが全てのケースで有効ではないことに注意しましょう。

はめあいの目的と選定

軌道輪は、荷重を受けて回転します。はめあいが持つ目的は、この軌道輪を軸やハウジングにしっかりと固定するため。また、お互いのはめあい面で望ましくない「滑り」が起こらないようにすることにあります。軸受が本来の機能を発揮するためには、軸とハウジングに適切にはめあわせることが肝心なのです。

はめあい面にしめしろが足りない場合、軌道輪は、軸やハウジングに対して円周方向の位置ずれ(滑り)を起こしてしまいます。この滑りのことを「クリープ」と呼びます。クリープは、はめあい面の摩耗をはじめ異常な発熱や摩耗粉の軸受内部への浸入、さらには、振動などさまざまな悪影響を引き起こす可能性があります。そのため、はめあいを選ぶ際には、次のようなポイントを意識するようにしましょう。

  • 軸受の形式や寸法
  • 荷重の性質や大きさ
  • 軸やハウジングの仕上げ面精度と材料または肉厚構造
  • 軸受内部のすきま
  • 運転中の温度分布
  • 取り付けや取り外し方法
  • 軸の熱膨張をはめあい面で逃がす必要があるかどうか

しめしろを与えることで、荷重を受け回転する軸受の軌道輪のクリープを防止します。また、しめしろ選定に欠かせないポイントとして、荷重の性質とはめあいの関係を意識する必要があります。「しまりばめ」「すきまばめ」「中間ばめ」の種類があるしめしろ。はめ込んだ後は固定し、分解することがない場合は、しめしろのある「しまりばめ」を採用します。一方、軸と穴をはめる際、はめた後に脱着やスライドする必要がある場合は、すきまのある「すきまばめ」。中間的な状態が望ましい場合は、「中間ばめ」を採用します。

回転の区分による荷重の性質とはめあいの種類については、以下の通りです。

1) 内輪回転・外輪静止(荷重の種類:静止)

内輪と軸のはめあいには「しまりばめ」が、外輪とハウジングのはめあいには「すきまばめ」が適しています。主な使用例は、電動機や平歯車装置など。

2) 内輪静止・外輪回転(荷重の種類:回転)

内輪と軸のはめあいには「しまりばめ」が、外輪とハウジングのはめあいには「すきまばめ」が適しています。主な使用例は、不釣合いの大きい車輪など。

3) 内輪静止・外輪回転(荷重の種類:静止)

内輪と軸のはめあいには「すきまばめ」が、外輪とハウジングのはめあいには「しまりばめ」が適しています。主な使用例は、静止軸が付いた走行車や滑車など。

4) 内輪回転・外輪静止(荷重の種類:回転)

内輪と軸のはめあいには「すきまばめ」が、外輪とハウジングのはめあいには「しまりばめ」が適しています。主な使用例は、不釣合い振動の特性を持った振動ふるい機など。

5) 不定(不釣合い荷重や変動的な荷重があるなど荷重方向が一定でない場合)

内輪と軸、外輪とハウジングともに、「しまりばめ」が良いとされています。主な使用例は、クランクなど。

はめあいの目的と選定

なぜ適切なはめあいが必要なのか

はめあいが適切でない場合、「軸受が破損してしまう」「軸受の寿命を短くしてしまう」などの恐れがあります。そのため、はめあいの選定の際は、しっかりと適切なものを検討することが重要。不適切なはめあいが原因となる機械トラブルには、次のようなケースがあります。

  • 内部のすきまが小さ過ぎることで、焼付きや軌道溝の変形といった回転精度の不良や音響不良につながってしまう
  • 軌道輪の割れや早期における剥離、または軌道輪の移動につながってしまう
  • 軌道の内部に摩耗粉が入ってしまうことで、振動や発熱を起こしたりする
  • クリープやフレッティングコロージョン(酸化現象を伴う摩擦)が原因の軌道輪や軸、ハウジングの摩耗や損傷につながってしまう

こういった機械トラブルを引き起こしてしまわないよう、適切なはめあいが求められるのです。