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ベアリングの固定方法

ベアリングは、軸やハウジングの設計によって、荷重が偏ることで起こる影響を受けてしまうケースがあります。そうなると、ベアリングの性能そのものが大きく変化してしまいます。その際に最も意識すべき点が、ベアリングの固定です。ベアリングの固定方法にはいくつかの方法があります。それぞれの固定方法によって、使用する用具が違ったり、固定の難度に差があったりします。ここでは、ベアリングを固定する際に知っておくべき方法やポイントについて解説します。

ベアリングの固定

転がり軸受を軸やハウジングに固定するためには,「しめしろ」を利用します。しかし、しめしろの固定だけでは不十分なケースがあります。軸方向にかかる荷重であるアキシアル荷重を受けるベアリングでは、軌道輪がアキシアル方向に移動してしまわないよう、しっかりと固定する必要があります。また、円筒ころ軸受などはアキシアル荷重を受けませんが、軸などが回転する時に発生するモーメント荷重による軸たわみによって、軌道輪が移動してしまうケースがあります。その際に、軸受が損傷してしまう可能性もありますので、アキシアル方向をきちんと固定する必要があります。

ベアリングをしっかりと固定することはもちろんのこと、ベアリングの性能を最大に発揮させるためには、以下の点に注意し、軸やハウジングの設計を適切に行うことが欠かせません。

  • 軸:太く短くする。
  • 軸肩の端面:軸心に対し直角に仕上げる。
  • ハウジング:しっかりとした剛性を持つ構造にする。
  • ハウジング肩の端面:ハウジング内径面に対し直角に仕上げる。
  • 軸とハウジングのはめあい面:十分な精度、表面粗さに仕上げる。
  • 軸とハウジングの肩の高さ:ベアリングの最大面取寸法より大きくする。
  • 軸とハウジングの隅の丸み:ベアリングの最小面取寸法より小さくする。
  • 割形ハウジングの合わせ面:丁寧に仕上げ、内径側に逃げを作る。

ベアリングの主な固定方法

それでは、ベアリングの主な固定方法を見ていきましょう。

通常の固定方法

内輪・外輪の固定で一般的に用いられる方法は、締付ナットやボルトを用いたやり方です。軸肩やハウジング肩に軌道輪端面を締め付けます。ナットで固定する場合は、緩まないよう、座金(ワッシャー)を用います。アンギュラ玉軸受や円すいころ軸受をゆるいはめあいで取り付けるケースでは、厚みの薄い座金(数mm程度)を入れて締め付けるのがポイントです。また、JISで規定されているタイプの止め輪を使用すれば、構造を簡素化でき、装置内の空間に制限がある場合にも向いています。その際、ベアリングの取付関係の寸法をしっかりと満たすことに注意しましょう。アキシアル荷重が止め輪に大きくかかるケースや高精度が求められるケースでは適さない固定方法と言えるでしょう。

エンドプレートで固定する場合は、軸の端部にボルト穴を開けておくのがポイントです。

また、板材に固定する際は、板材に段付きの穴を設ける、もしくは、止め輪やフランジといった「つば」付きのベアリングを使用しましょう。

テ−パ穴軸受の固定

アダプタスリーブによる固定や取り外しスリーブによる固定で、円筒軸に取り付けるケースでは、アダプタスリ−ブや取り外しスリ−ブを使用します。そうすることで、アキシアル方向に固定することが可能となります。その際、アダプタスリ−ブはスリ−ブ内径と軸との摩擦力によって固定される仕組みとなります。

アダプタスリーブは軸に取り付け、ナットを締付けるだけで良いため、軸方向の位置決めが最も簡単な固定方法と言えるでしょう。また、ナットのゆるみ止めには、軸径180mm以下の座金や軸径200mm以上の止め金を用いると良いでしょう。

取り外しスリーブを用いる場合は、ナットやエンドプレートを使用し、取外しスリーブを押し込んだ上で、ベアリングを固定します。この方法では、ベアリングを容易に取り外せるといったメリットもあります。

また、軸用ナットを使用するケースもあります。軸用ナットは円筒穴軸受と同じく、軸にねじ加工が施されたもので、ナットを使用し締め付けて固定します。

二つ割リングによる固定方法もあります。テ−パ軸に取り付ける場合、締め付けナットや外径にねじを切った二つ割リングを、軸の溝にはめ込んだ上で、締め付けナットで固定します。

ベアリングは、正しく固定しないと、本来の性能を発揮できません。取り付け時には、ベアリングが動いたり外れてしまったりしないように注意しましょう。