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ベアリングに関するトラブルと対策

ベアリングは、さまざまな原因によって、損傷を引き起こしてしまいます。その症状の種類はかなりの数にのぼります。損傷を起こさないためには、原因の特定と正しい対策が欠かせません。まずはベアリングの損傷と原因をはじめ、その対策について解説します。

ベアリングの異常状態

ベアリングが異常な運転を続けていると、騒音や異常な温度上昇が起こるだけでなく、軸の触れ回りの振動が大きくなってしまいます。ここでは、ベアリングの代表的な異常運転の状態とその原因・対策について解説します。

騒音

高い金属音を発している場合は、異常荷重や取付不良、潤滑剤の不足や回転部品の接触が考えられます。原因が異常荷重の場合ははめあいの修正を、取付不良の場合は、取付方法・精度の改善を、潤滑剤不足の場合は、潤滑剤の補給を、回転部品の接触の場合は、ラビリンスリングなどの接触部分の修正を行いましょう。

高温

異常な温度上昇が発生している場合は、すきま過小や潤滑剤の過多、異常荷重が考えられます。すきま過小の場合は、はめあいやベアリングのすきまの検討を、潤滑剤の過多の場合は、潤滑剤の適量化を、異常荷重の場合は、はめあいの修正を行いましょう。

振動

振動が大きくなっている場合は、フレーキングや異物の侵入が考えられます。フレーキングが起こっている場合や異物が侵入している場合は、ベアリングの交換を行いましょう。

ベアリング損傷タイプと原因・対策まとめ

ベアリングは適切に取り扱うことによって、疲れ寿命に至るまで、長期間において使用が可能。しかし、寿命で想定していたよりも早い損傷や、最終的に使用できなくなるケースがあります。 取り付け・取り扱い時の不備や不注意はもちろんのこと、潤滑不足、異物侵入、発熱の影響についての検討不十分などの原因が考えられます。主な損傷の症状とその原因、対策をチェックしてみましょう。

フレーキング

フレーキングは、ベアリングの転動の疲れによって、軌道面や転動面がうろこ状に剥がれてしまう現象。 異常な荷重がかかっていることが考えられますので、原因を特定し、適切なはめあいに修正したり、場合によっては負荷の容量がより大きいベアリングに取り換えたりといった対策をしましょう。また、早期に発生したフレーキングに関しては、潤滑不足や潤滑剤が合っていない可能性がありますので、潤滑状況を見直しましょう。

かじり

かじりは、発熱で起こる焼付きをともなうキズのことです。取り付け・取り外し方を修正したり、予圧量や潤滑剤の見直しなどの対策を行ないましょう。軌道面や転動面にかじりが発生した場合は、初期の潤滑不良が考えられますので、より軟質のグリスを使用したり、急激な加速を避けたりしましょう。

摩耗

摩耗は、ベアリング表面で異常な摩擦を起こし、寸法に変化を起こしている状態です。主に潤滑不良や異物侵入、サビが原因と考えられます。潤滑剤や潤滑状況の見直し、密封装置の改善やハウジングなどベアリングまわりの洗浄といった対策が挙げられます。

サビ・腐食

ベアリングの表面が錆びたり、腐食したりしている状態です。保管や取扱いにおける不備、あるいは水や酸などの腐食を促進させる物質が混入したり、空気中の水分が結露したりといった原因が考えられます。 密封装置を見直し、高温多湿での保管を避け、長期運転休止時は防錆対策を行いましょう。また、ワニスやグリスの選定に配慮することも対策のポイントです。

破損(割れ、欠け)

ベアリングに割れや亀裂、ヘアークラック(髪の毛程度の微細な亀裂)が入ったり、部分的に欠けたりといった症状が起こります。主に大き過ぎる衝撃・荷重やしめしろの過大、軸の円筒度不良、過大なフレーキングなどが考えられます。そういった際には、荷重条件を見直す、はめあいを修正するといった対策が効果的と言えるでしょう。 転動体に割れや、つば欠けが発生している場合は、フレーキングの進展、取り付け時のつばへの打撃などが考えられます。そういった損傷を防ぐためには、取り付け・取り扱い時に、細心の注意を払い作業するよう心がけることが重要です。

焼付き

焼付きは、ベアリングが発熱することで起こり、回転不能を起こしてしまいます。他にも、変色や変形、軟化溶着といった症状を引き起こしてしまいます。考えられる原因としては、ベアリング内部のすきま過小、過大荷重、潤滑不良、放熱精度の悪さ、取り付け不良などが挙げられます。 適切なはめあいやすきま、予圧の見直しを行いましょう。また、潤滑剤や、潤滑状況、取り付け方法や取り付け部品などを見直してみることも、対策の一つと言えるでしょう。

早期損傷の原因について

ベアリングは、本来の寿命に至る前に、早期損傷を起こしてしまうケースがあります。早期損傷の原因として考えられる主な原因は次の通りです。

  • 取り付け(組立)や取扱い上の不備
  • 潤滑の不良(潤滑剤の種類や潤滑の方法が不適、潤滑剤の不足など)
  • 異物の侵入(水分、ごみ、サビなど)
  • 振動状態
  • 装置の仕様や運転環境
  • 加工精度など周辺部品の不具合
  • 荷重や予圧などの考慮不足

ベアリングが繰り返し損傷してしまう原因とは?

ベアリングが損傷を繰り返してしまう場合は、ベアリングにかかる荷重の確認が重要です。荷重が繰り返して加わる場合や、過大な荷重がかかっているケースが考えられます。そういったケースでは、ベアリングを交換したとしても、また損傷を起こすことになります。 なぜ損傷が起こっているのか、その原因を特定した上で、適切な対処をすることが、繰り返しの損傷を防止する方法です。ベアリングを取り外し、損傷状態をチェックしたうえで荷重状況を見直してみてください。

ベアリングの異音と原因

ベアリングの取り付けが終わると、取り付けが正常に行われたかどうか確認する必要があります。これが運転検査と呼ばれるものです。ベアリングの異常には、回転音をチェックするのが検査の有効な方法のひとつ。高い金属音や異常音、不規則音などはベアリングの異常を表しています。 回転音の異常の状態によって、さまざまな原因と対策が特定できます。次に、ベアリングの異音の原因とその対策について詳しく解説します。

異音の原因と対策

金属的な高い音を発している場合には、次のような原因と対策が考えられます。

潤滑剤の不足や不適が原因として考えられるケース

→潤滑剤を補給する、適切な潤滑剤に変更するといった対策を行いましょう。

取り付けの不良が原因として考えられるケース

→取り付け精度や取り付け方法を改善するなどの対策を行いましょう。

異常な荷重が原因として考えられるケース

→はめあいを修正する、予圧の調整を行う、ベアリングのすきまを検討するなどの対策を行いましょう。

回転部の接触が原因として考えられるケース

→ラビリンスなどの接触部分を修正しましょう。

連続で規則的な異音を発している場合には、次のような原因と対策が考えられます。

圧こん(ブリネリング)が原因として考えられるケース

→ベアリングを交換する、ベアリングの取り扱い方や作業工程を見直し高荷重がかかっていないか確認する、といった対策を行いましょう。

軌道面の異物混入によるキズやサビが生じたことが原因として考えられるケース

→ベアリングを交換する、部品を洗浄する、シールを用いた密封などの対策を行いましょう。

電食が原因として考えられるケース

→玉を絶縁素材(セラミックなど)にしましょう。

軌道面のフレーキング(表面がうろこ状に剥離する現象)が原因として考えられるケース

→ベアリングを交換しましょう。

不規則的な異音が発生している場合には、次のような原因と対策が考えられます。

異物の侵入が原因として考えられるケース

→ベアリングを交換する、部品を洗浄する、シールを用いた密封などの対策を行いましょう。

予圧の不足が原因として考えられるケース

→予圧量を修正する、はめあいやベアリングのすきまを検討するといった対策を行いましょう。

フレーキングや玉のキズが原因として考えられるケース

→ベアリングを交換しましょう。

異常音発生の事例

ベアリングから発生する異音

原因としては、ベアリングの軌道面に「キズ」もしくは「さび」があるといった2つの状態が考えられます。ベアリングから異常音が発生した場合は、ベアリングの取り付け方を見直してださい。 ベアリングの防錆方法を改善したり、場合によっては、ベアリングの交換も検討必要があると言えるでしょう。また、ベアリングの洗浄方法が適していないことも考えられますので、正しい方法を検討ください。

これらの対策も重要ですが、回転軸受がどういった使われ方をしているか、回転機械の動力がどういった流れで伝わっているかについても把握しておきましょう。できるだけ早く、異常音が発生している箇所を特定することが、早期の対策につながります。

送風機ベアリングから発生する異音

送風機のベアリングから発生する異音は、不規則に「ごろごろ」という音やハンマーで叩いているような音が考えられます。こういったケースでは、はめ合いやベアリングのすきまをチェックし、予圧量を調整することがポイントです。また、取り付け精度の改善も効果的です。

不規則に「がりがり」という異音が発生した場合には、異物の混入が考えられます。しっかりと洗浄し、密封状況の改善や清潔な潤滑剤の使用が効果的と言えるでしょう。

ベアリングの状態チェック方法

ベアリングが本来の性能を長く発揮し続け、安全運転を続けるためには、日頃の保守や点検が欠かせません。ここでは、ベアリングの状態をチェックする方法をご紹介します。

ベアリングの点検

ベアリングの状態を点検することは、機械故障の防止だけでなく、安定した運転を行ない、生産性や作業効率性、経済性を高めることにつながります。

点検管理のポイントは、機械の運転条件に応じ、定期的に行うことです。また、単なるチェックにとどまらず、状態に応じて潤滑剤を補給したり、定期的に分解したりすることが挙げられます。

運転中の機械においては、ベアリングから異音や大きな振動が発生していないか、温度が異常に上がっていないか、また、潤滑状態に問題はないか点検を行います。 例えば、ベアリングの回転音のチェックでは、聴音器を用いますが、異音を確認することでベアリングの不良状態に気付くことができます。また、振動のチェックには、振動測定器を用い、振動の幅や周波数を確認することでベアリングの損傷状態を推測することが可能です。

一方、機械から取り外したベアリングにおいても、キズが出来ていないか、再利用できそうかどうかを確認することもポイントです。

ベアリングの総合的な状態チェック

ベアリングの状態をチェックするためには、ベアリングからの発熱や振動、内輪や外輪の走行路のチェック、潤滑状況の確認など、さまざまな判断材料があります。ベアリングの使用状況をしっかりと確認し、それらを総合的に判断しましょう。以下に、パターン別のチェックポイントを記します。

深溝単列玉軸受の断面チェック

深溝単列玉軸受は、内輪と外輪にある玉の走行路がずれていないかチェックします。ずれが見られる場合、ベアリングの荷重に問題があると判断できます。

アンギュラ玉軸受の断面チェック

アンギュラ玉軸受も、内輪と外輪にある玉の走行路の跡をしっかりとチェックすることで、ベアリングの荷重や予圧に問題があるなどの原因を特定することができます。

モーターのベアリングのチェック

モーターのベアリングを取り外した際は、負荷側、反負荷側がどちらか分かるように印を付けておきましょう。負荷側の内輪では、摩擦により赤紫に変色することがあります。その場合は高温になりすぎている可能性があるので、注意してください。 また、取り外したベアリングに問題がないか、使っているグリスを洗浄剤で溶解した上で、ベアリングの破片などが入っていないか確認します。

ベルトコンベヤのベアリングのチェック

新しいグリスを給脂することで、古いグリスが出てくることになります。そのグリスの状態をチェックしてみてください。

ベアリングの再利用について

取り外したベアリングは、しっかりと洗浄をしたうえで、再利用が可能かどうかを判定します。ただし、「内輪・外輪・保持器・転動体のどれかに欠陥がみられる」「軌道面・転動体・つばに激しいかじりがある」「軌道輪・転動体のどれかにフレーキングがみられる」といった ケースでは再利用ができませんので注意しましょう。

また、軌道面や転動体におけるサビ・キズや圧こん、高熱による変色といった症状がある場合も再利用はできませんので、ベアリングの状態をしっかりと確認することが重要です。

  • 再利用できないベアリング