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鋳造の目的と種類

鋳造はエジプトや中国で発祥した非常に古い技術です。日本にもなじみのある加工法で、銅鐸や奈良の大仏などを始めとする貴重な歴史的遺物から、南部鉄器などの日用品に至るまで多くの製品を生み出してきました。その目的や製造法の種類にはどういったものがあるのでしょうか。

鋳造とは

鋳造とは、金属を溶かし(溶湯/ようとう)、砂や別種の金属で成型した型(鋳型)に流し入れ(鋳込み)、冷やし固める(凝固)技法です。使用できる材質は幅広く、溶融可能な金属であれば基本的になんでも使用することができます。

鋳造の目的

鋳造の目的は、以下の3点です。

  • 複雑な形状の成型
  • 鋳造は作りたい形の鋳型をあらかじめ用意することにより、工具を使って削り出すよりも遥かに複雑な形状の成型ができます。
  • 中空状の形状の成型
  • 鋳型の中に中子(なかご)という砂型をはめ込むことにより、中空の成型が可能です。奈良の大仏のような巨大な構造物も、中空状とすることで原料を減量するだけでなく製作自体も容易となるので鋳造によって造られました。
  • 量産
  • 鋳型は、同じ型を複数回使用でき短時間での大量生産が可能です。大量生産によって製品1つあたりのコストを削減できるのも利点といえるでしょう。

鋳造の種類

鋳造の工法は、現在は様々なものがあります。長い歴史の中で多くのテクニックが編み出されてきたためです。それぞれにメリットやデメリットがあるため、使用する用途や金属の特性に合わせて上手に工法を選択しましょう。代表的な工法の一部をご紹介します。

生型鋳造法

珪砂、粘土(ベントナイト)や離型剤と水を合わせて作った型を使用する工法です。鋳物の取り出しが容易、型が繰り返し使用でき有毒ガスを発生させない、コストが安い、などのさまざまなメリットがあります。これらの特徴から、自動車部品などの大量生産を要する鋳物に適しており、現在でもポピュラーな手法です。

フルモールド鋳造法

発泡ポリスチレンで作った模型を砂に埋め込み、そこに鋳込みを行う工法です。鋳込み時に金属の高温によって発泡ポリスチレンが気化してゆき、型が金属に置き換わります。鋳型合わせの必要がないため作業が簡便で、バリのない鋳物ができるのが特徴。反面、発泡ポリスチレンの残渣(溶解せず残った不溶物質)が付着することもあり注意が必要です。

金型鋳造法

鋳鉄や耐熱合金で鋳型をつくって鋳造する工法です。金型の使用によって、寸法の正確性に優れた緻密な鋳物ができるため、自動車ブレーキなど製品の精密さが求められる鋳造に重宝されます。ただし、金型の製作が高コストです。

ロストワックス法

ロウで模型を制作し、その模型の周囲を鋳物砂でコーティングし、中のロウを溶かすことによって作った鋳型を使う工法。ロウで作った模型そのままの形の鋳物が得られるため、複雑な形状でも寸法精度の高い仕上がりとなります。

ダイカスト法

金型の中に、溶融した合金を高速・高圧で注入する工法です。寸法精度が高く、複雑な形状でも寸法の正確性に優れた仕上がりが期待できます。反面、高速で鋳鉄を注入するため、空気や酸化物を製品中に巻き込んでしまうのがデメリットです。

遠心鋳造法

回転する円筒状の金型に鋳込みを行い、遠心力を利用して円筒の鋳物を得る工法。中子を使用せずに低コストで中空状の成型が可能です。ただし使用する金属の特性によっては、遠心力によって偏析する可能性もあるので注意が必要です。

連続鋳造法(連鋳)

溶かした金属から連続的に鋳物を得る工法です。溶鋼を連続的に鋳型に注入し、出てきた帯状の鋳物を適宜切断するなどして、途切れることなく大量に同型の鋳物製造が可能です。しかし、機械投資が高額となるため小ロット製品への適用には向いていません。

石膏鋳造法

石膏で作った型で鋳造する工法です。低コストで寸法の正確性に優れた鋳物が製作できます。また、型の製作が容易なので、試作品の製作や、短期間で小ロット製作を要するときには最適です。反面、耐久性の面から大量生産には適しません。

まとめ

鋳造は、複雑な形状や中空状の鋳物を比較的低コストで制作できる工法です。さまざまな工法があり、それぞれメリットやデメリットがあるので、使用するシーンに合わせて上手に工法を選択していけば有用な運用が可能となります。作りたいものと最適な鋳造方法についてきちんとリサーチが求められるでしょう。


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