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引抜き加工の種類

細い線状や円柱状の形状への加工が得意な引抜き加工は電線やピアノ線、注射器の針など、我々の生活の身近な部分でも数多く活用されています。引抜き加工には、どのような工法や特徴があるのでしょうか。まとめてご紹介します。

引抜き加工とは

引抜き加工とは、円柱状あるいは円筒状の材料を、ダイスと呼ばれる工具に通して先端から引抜き、任意の断面形状や細さに加工する技術です。ダイスの入り口は太く、出口は入り口よりも細くなっているため、押し出されるようにして材料の形状が変形されます。熱間加工、冷間加工の両方が可能ですが、通常は押出材を用いた冷間加工のケースが多いです。

複数のダイスを用いて複数回の引抜き加工を繰り返すことで、製品は引張強度が高まり、高物性の製品へと仕上がっていきます。引抜く力の設定は、素材や断面形状、断面積の減少率などによって最適な値が大きく変動していくので、綿密なテストを行った上で数値を設定することが大切です。

引抜き加工の種類

引抜き加工には以下に挙げられるような様々な工法が展開されています。代表的なものを紹介しましょう。

単純引抜き加工

単純引抜き加工は、その名の通りもっともシンプルな引抜き加工の工法です。棒線をダイスに通し、単純に引抜きを行うことで断面を小さくしていきます。引抜き加工といえばこの加工法を指すほど一般的なものです。単純引抜き加工では、鋼線では10~35%、アルミニウムなどの硬度の低い材質では20~50%の割合で断面を小さくできます。冷間加工では材料が加工硬化によって硬くなりがちなため、必要に応じて焼きなましなどの熱処理を併用することもあるのが特徴です。

管の引抜き加工

中空の素材を引き抜いて細い管を作り出す加工です。代表的なものに以下の4つがあります。

  • 空引き…外径を小さくする目的で単純に引抜きを行う工法です。
  • 心金引き…ダイスの内側に心金を固定し、厚みを制御しながら、管の内面も圧してなめらかに仕上げる工法です。
  • 浮きプラグ引き…心金を固定せず、自動的に正しい位置に配置されるよう制御して引く工法です。非常に細い管を製造できます。
  • マンドレル引き…外径を減少させると同時に厚みも薄くできる加工です。金属バットのような薄肉の管の加工に適しています。
引抜き加工の種類
ローラーダイスによる引抜き加工

一対の孔型ロールに線を通して引き抜く工法です。ローラーそのものは回転することなく、材料が引き抜かれる摩擦によって回転します。小さい力で引抜くことができるので、摩擦熱の減少につながり不必要な変形等を防げるのもこの工法の特徴です。

ローラーダイスによる引抜き加工

ローラーダイスによる引抜き加工

タークヘッド引抜き加工

上下左右に配置されたローラーダイスに線を通して引抜く工法です。丸棒から角棒への加工など、断面を自由に変形させることができます。

ダイレス伸線加工

ダイスを使わない加工法で材料を加熱しながら引っ張って径を小さくし、急冷して寸法を安定させるという工法です。ダイスとの接触で焼きつきが発生するような素材の引き延ばしに効果を発揮します。

引抜き加工のメリット

さまざまなところで活用されている引抜き加工ですが、そのメリットには下記のようなものがあります。

ロスが少ない

削る工程を含まないので、ロスが極めて少ない製造法です。ステンレスなどの高価な素材の加工でもコストを抑えて行うことができます。

材料強度の低下がない

引抜き加工に一般的な冷間加工では、材料に熱を加えないので材質の硬度を保ったまま成形が可能です。

物性強化ができる

材質を引っ張りながら何度もダイスに通すことにより、引張強度などの物性を高めることができます。

寸法精度が高い

ダイスの出口を通す工程により、特定の寸法を保った均一性の高い製品の製造が可能です。

表面肌が美しい

ダイスを通す加工を行うことで、表面は光沢のある美しい肌に仕上がります。また、心金のあるタイプの引抜きを行えば内側表面も均質に整った製品となるのも特徴です。

≪まとめ≫

引抜き加工は、材質をダイスに通して引抜くことによって微細な加工を施せます。さまざまな部材で使用されている重要な技法ですので、それぞれの工法の利点や特質を知っておきたいですね。