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界面活性剤の抗菌・防臭作用

界面活性剤とは、水と油のように混ざり合わないもの同士の間で橋渡しの役割を果たし、両者を混ざり合わせる働きを持つものです。洗浄剤としての利用が一般的に広く知られていますが、抗菌剤や防臭剤としての利用も重要な用途のひとつとして近年の注目度が高まっています。

界面活性剤の抗菌作用

抗菌(または除菌)とは、微生物を死滅させることです。抗菌の対象となる微生物としては、菌類、鞭毛虫類などの原生生物、藻、細菌、ウイルスなどがあります。微生物は小さいものでは0.2μmから0.5μm、大きいものでは20μmの範囲の大きさです。

これら微生物の除去を行いたいとき、濾過や洗浄などでも取り除くことが困難な場合には、微生物を死滅させる処理を施します。具体的には、加熱して熱によって死滅させる方法、紫外線や放射線照射によって死滅させる方法、薬剤によって死滅させる方法の3つです。

薬剤による抗菌には、アルコール、アルデヒド、フェノール、ヨウ素などさまざまな薬剤が利用されますが、このうちのひとつとして界面活性剤があります。代表的な分類は以下のとおりです。

塩化ベンザルコニウム(カチオン界面活性剤・陽イオン界面活性剤)

最小発育阻止濃度(MIC、微生物を死滅させるために必要な薬剤の最小濃度)のもっとも小さい界面活性剤であり、極めて高い抗菌性能を持ちます。カチオン界面活性剤には第1級〜第3級アミン塩および第4級アンモニウム塩がありますが、 そのなかでも抗菌効力に優れているのは第4級アンモニウム塩です。

塩酸アルキルジアミノエチルグリシン(両性界面活性剤)

塩化ベンザルコニウムに次いで、小さいMICを持つ両性界面活性剤です。両性界面活性剤とは、pHの変化によって親水基の部分がプラス/マイナスに転換される特質を持つ界面活性剤のこと。 両性界面活性剤にはアミノ酸型とベタイン型がありますが、そのうち優れた抗菌性能を持つのはアミノ酸型両性界面活性剤です。

界面活性剤によって微生物が死滅する現象の機序は、未だはっきりとは分かっていません。主には以下のような理由が複合的に作用して、抗菌効果が得られるのではないかと考えられています。

  • 微生物の細胞膜に界面活性剤が吸着することで流動性が高まり、やがて破裂して微生物を死に至らしめる
  • 細胞膜への吸着によって、細胞膜の機能や酵素を不活性化してやがて死滅させる
  • 界面活性剤の持つタンパク質変成作用が細胞に作用する

抗菌剤として使用される界面活性剤の主な適用部位は、手指・皮膚・医療器具・浴槽などの器具です。

界面活性剤の防臭作用

界面活性剤には、防臭の作用もあります。そのメカニズムはどういったものでしょうか。悪臭の発生原因には、微生物の働きが深く関係しています。たとえば、衣服において発生する悪臭です。 皮膚に付着したブドウ球菌などの微生物が皮脂や汗などを栄養として繁殖する際、蟻酸、酢酸、カプロン酸などの低級脂肪酸を生み出ます。その後、衣服に付着して残留し、さらにアンモニアなどが加わって増幅して起こるのが衣服の悪臭です。

食品管理現場においては、微生物の作用によって食品が分解され、低級アルコール、アンモニアやトリメチルアミン、ジメチルアミンなどの揮発性アミン、アルデヒド、ケトンなどのカルボニル化合物、アルコール、硫黄化合物など、さまざまな成分が生み出されて悪臭が発生します。

つまり、多くのケースにおいて悪臭とは、微生物の存在を原因として発生するものであり、これらの微生物をあらかじめ死滅させる処置を施しておくことが、結果的に防臭につながるのです。 したがって、界面活性剤を用いた防臭は、先に説明した抗菌と同じような働きによって作用します。界面活性剤に香料などを溶け込ませた市販の消臭剤などを使用すると良いかもしれません。

<まとめ>

界面活性剤は、さまざまな特質を利用して幅広い分野に活用されている薬剤です。微生物の細胞膜に吸着するなどの性質を活かして、極めてすぐれた抗菌剤・防臭剤としても活用することができます。


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