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磁性材料の種類と磁石の特性

モーターや発電機、家電製品や磁気ディスクなど、磁石は様々な製品やシーンで活用されています。その磁石ですが、実は種類によって特性が異なるため、環境や条件によって最適な磁石を選ばなくてはなりません。磁性材料の種類や特長を確認し、十分な効果を得られる磁石を選定しましょう。

磁性材料の種類

磁性材料とは磁気的な性質を持った金属のことで、磁性を利用した製品の材料となるものです。「硬磁性材料」「軟磁性材料」「磁歪材料」などに大別され、種類によって磁力の大きさが異なったり、暑さや錆び、衝撃などに強い性質があったりとそれぞれ特長が異なります。

永久磁石や磁気記録媒体といった製品に使用されることの多い磁性材料の代表的な種類について見てみましょう。ここでは、各磁石の性能を3段階評価で表します(数字が大きいほど高性能です)

【希土類(レアアース)磁石】

  • ネオジム・鉄(NdFe)系
  • 主な用途…自動車(ハイブリッド・電気自動車)のモーター、電子機器など
  • 非常に磁気エネルギー積が高く、磁力がフェライト磁石の10倍にも及ぶほど強い点が大きな特長です。また硬度が高く、割れ・欠けに強い点もメリット。 ただ高温や錆びに弱いという欠点もありますが、錆びについてはコーティングを施すことで解消することも可能です。希土類磁石は全体的に効果ですが、その中では比較的安価とされています
  • 磁力:3、安定性:3、耐温度:2、機械的強度:1、コスト:
  • サマリウム・コバルト(SmCo)系
  • 主な用途…モーター、車載部品、電子機器など
  • あらゆる磁石の中でも、ネオジムに次いで磁力が高いとされています。価格が安定しづらくネオジムよりも高価ですが、ネオジムよりも温度特性に優れ、高温化の使用も可能。また耐食性に優れ、錆びに強い点もメリットです。ただ割れやすく、機械加工に向かない場合もあるので注意しましょう。
  • 磁力:3、安定性:3、耐温度:1、機械的強度:2、コスト:1
○希土類磁石の使用温度と吸着力について

熱による減磁が大きく、吸着力は20℃を100とした場合に100℃で95%、200℃で85%程に低下します。特にネオジム・鉄(NdFe)系磁石は80℃未満の使用が基本です。場合によっては60℃以上から常温に戻っても、磁力が元通り回復しないこともあるので注意しましょう。 サバリウム・コバルト(SmCo)系磁石はフェライト磁石よりも温度特性に優れ、短時間のスポット敵な使用ならば200℃まで可能です。ただし連続で使用する場合は劣化を考慮し、150℃を上限としてください。

【アルニコ磁石】

  • 主な用途…計器類
  • アルミニウム、ニッケル、コバルトなどを主成分とした鋳造磁石です。温度変化に非常に強くて高温度使用が可能な点と強度が高く割れにくい点が大きな特長で、計器用に多く使用されます。ただ、保磁力が小さく外部からの衝撃によって減磁しやすいのが難点です。
  • 磁力:3、安定性:3、耐温度:2、機械的強度:1、コスト:2
○アルニコ磁石の使用温度と吸着力について

他の磁性材料に比べて温度特性が非常に優れており、400℃程度ならほぼ元通りの磁力に戻ります。使用温度は450〜500℃くらいまで使用可能です。吸着力は20℃を100とした場合に100℃で96%、200℃で93%。300℃で89%程に低下します。

【フェライト磁石】

  • 主な用途…小型モーター、スピーカー、磁気テープなど
  • 鉄酸化物の粉末を主原料にした最も一般的な焼結磁石で、汎用性が高くあらゆる分野で活用されています。保磁力が高く、比較的安価な点が大きな特長です。大量生産する規格品などに向いています。ただ加工前は粉末なので成型の自由度は高いものの陶器のように割れやすく、切断や穴あけといった加工は難しいので注意しましょう。
  • 磁力:1、安定性:2、耐温度:1、機械的強度:2、コスト:3
○フェライト磁石の使用温度と吸着力について

熱による減磁が大きく、吸着力は20℃を100とした場合に50℃で85%、100℃で70%、200℃で40%以下にまで低下します。100℃を超えると大幅に減磁してしまうので注意しましょう。常温に戻っても磁力は回復しません。

磁石の特性

成型された磁石の種類は、「等方性」と「異方性」という2種類の磁力特性に分類可能。この性質は製法によって違いがありますが、等方性磁石としてはプラスチック磁石や等方性ラバー磁石、等方性フェライト磁石が、異方性磁石としては希土類磁石や異方性ラバー磁石、異方性フェライト磁石などが挙げられます。

等方性・異方性の代表的な磁石は、最も一般的に普及している「フェライト磁石」です。粉末状の材料を圧縮成形して磁石を作る際、磁場を与えながら作ると「異方性」に、磁場のない状態で作ると「等方性」になります。では、それぞれどんな特長があるのでしょうか。

  • 【異方性磁石】

外部からの磁界によりN極・S極の方向が一定に揃う磁石です。そのため、一定方向にのみ磁力が作用するようになり、強力で安定した吸着力を発揮します。逆に多方向には磁力を発揮しません。スピーカーや電化製品、工業製品などに多く使用されます。


  • 【等方性磁石】

磁界がない状態で圧縮成形したため、N極・S極の方向がランダムで、どの方向にも着磁します。つまり全方向に同じように磁力が作用するということです。ただし磁力自体は異方性には及びません。文房具としてのマグネットや車の初心者マークなどに使用されます。

<まとめ>

磁力を利用した製品に用いる磁石は、磁力を持っていれば何でも良いというわけではありません。磁性材料の種類や成型方法によって様々な特性を得られるため、どんな磁石が製品に合っているのかを吟味して選定しましょう。