モーターのトップランナー制度とは

トップランナー規制とは

トップランナー規制とは、1999年の省エネ法の改正から導入された規制で、対象となる機器のエネルギー消費効率の目標基準値および達成年度を定めた基準です。もともとエネルギーを多く消費する機器については、省エネ法において、特定の機器に対して「省エネルギー基準」を設定していましたが、より省エネ効率を向上させるために、特定機器のうち最も省エネ性能が優れている機器である「トップランナー」の性能以上の基準値を新たに設定する制度です。

この基準は製造事業者(輸入事業者も含む)に対する規制となっており、トップランナー規制に対応した高効率の機器を供給する必要があります。

つまり、以前はクラスの平均点を製品の基準値として考えていたのですが、1999年の改正により、学年トップの優秀な点数を基準値として考えましょうというのが、トップランナー規制の概要です。

モーターのトップランナー規制とは

モーターのトップランナー規制

これまでモーターについてはトップランナー規制の対象ではありませんでしたが、2013年11月から産業用モーターについてもこのトップランナー制度の対象に加えられました。これにより、産業用モーターの各メーカーに対して、トップランナー規制によるモーターの生産と供給が義務付けられることとなりました。

そもそも、トップランナー規制の対象となる「特定機器」の要件としては、以下の3点と言われています。

  1. 我が国において大量に使用される
  2. 相当量のエネルギーを消費する
  3. エネルギー消費効率の向上が必要とされる

この要件に産業用モーターも該当すると判断されたのです。そもそもモーターは製品本体の価格よりも、購入後に消費する電力料金の方が高額になるため、エネルギー消費効率は非常に重要な要素なのです。モーターの目標基準値としては、IE3(プレミアム効率)に相当する効率値が設定されました。

トップランナー規制に適合するモーターは、他の規格値のモーターに比べ、およそ35%の損失低減効果があるとされているため、今後すべてのモーターがトップランナー規制に適合するモーターに移行したと仮定すると、その電力削減量は年間155億kWhにもなると言われています。この削減量はなんと日本の全消費電力量のおよそ1.5%に相当するという非常に大きな意味を持つものとなります。

また、トップランナー規制に適合するモーターは、その他のモーターに比べ回転速度が非常に早く、その分モーターの出力が増加しやすいという特徴があります。これは発生損失を抑制していることによるのですが、始動電流が他のモーターよりも高くなるため、場合によってはブレーカーの変更が必要となる可能性があります。

なお、回転速度が早くなって出力が増加すると、場合によっては消費電力量も増加することもありますので注意しましょう。

対象となる商品とは

特定機器としてトップランナー規制の対象となる商品とは、以下の7項目のすべて満たす商品となります。

  • 1.定格周波数又は基底周波数が、50Hz±5%のもの、60Hz±5%のもの、又は50Hz±5%及び60Hz±5%強要のもの
  • 2.単一速度のもの
  • 3.定格電圧が1,000V以下のもの
  • 4.定格出力が0.75kW以上375kW以下のもの
  • 5.極数が2極、4極又は6極のもの
  • 6.使用の種類が以下のいずれかに該当するもの
  • 電動機が熱的な平衡に達する時間以上に一定負荷で連続して運転する連続使用のもの
  • 電動機が熱的な平衡に達する時間より短く、かつ、一定な負荷の運転期間及び停止期間を一周期として反復する使用で、一周期の運転期間が80%以上の負荷時間率をもつもの
  • 7.商用電源で駆動するもの

以上全てに該当する機器については、トップランナー規制の対象機器となります。