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農機用クローラーの交換方法

車のタイヤにサイズがある様に、コンバインやトラクターのクローラーにもサイズがあります。ゴムクローラーを交換するにあたって、まずはご使用の農業機械のクローラーがどのサイズであるかを確認することが大切です。また、交換方法と併せて注意すべき点や安全に交換作業をするためのコツをご紹介します。

農業用クローラーとは

農業用クローラーとは、キャタピラーの走行部を持つ農業機械です。そのため、キャタピラーとも呼ばれ、エンジンの動力が起動輪に伝わり、クローラーの芯金と噛み合うことで、転輪、遊動輪を回転させながら走行させる無限軌道ができます。通常のタイヤに比べ、設置面の広いクローラーは土や湿田など整地されていない場所でも走れるので、トラクターやコンバインなどの農業機械ではゴムクローラーが一般的です。

材質上、ゴムクローラーは長期使用により劣化します。特に、舗装道路を走行しているのであれば消耗も早まりますし、左回りが基本のコンバインは、右側の駆動輪に負担がかかるので、右側のクローラーが傷みやすいと言えます。例えば、クローラーの緩みやひび割れ、磨り減って芯金がむき出しになっていたら要注意です。

また、クローラーが外れたり切れたりすると走行できなくなる場合もあります。作業中に身動きが取れなくなるような事態を避けるためにも、日頃から小まめなチェックが大切です。セルフチェック項目は、クローラーの磨耗、破損箇所がないか、ゆるんでいる箇所はないか、芯金が出ている部分はないかを確認します。クローラーの交換時期の目安はアワーメーターだけに頼らず、劣化症状が見つかれば早めに交換して下さい。

クローラーのサイズ確認方法

ゴムクローラーのサイズは、クローラーの幅、ピッチの長さ、コマ数の3つが基準となっていて、クローラーの内側に打刻されています。表記方法はメーカーによって多少の違いがありますが、以下のような表示が一般的です。

クローラー幅×ピッチ長×コマ数、またはクローラー幅×コマ数×ピッチ長となっています。例えば、「450×90×56」「450-56-90」と表記されることが多いです。ゴムクローラーの状態によっては、打刻されているサイズが読み取れない場合もありますので、実寸の測り方も知っておきましょう。

クローラのサイズ確認

クローラーのサイズ計測方法

ゴムクローラーのサイズ基準は、クローラー幅、ピッチ長、コマ数であると述べました。次は、それぞれの計測方法を説明します。

クローラー幅

クローラーの端から端までの全幅を計測します。サイズは280〜750mm、コンバイン用では250〜600mmが一般的です。

ピッチ

クローラー内側の芯金と芯金の間隔で、計測する時は芯金の中心と次の芯金の中心までを測ります。主に79mm、84mm、90mmのピッチが一般的です。

リンク数

クローラー内側の芯金の数です。1周で何個あるかを数えます。

基本的に計測するのは上記の3箇所ですが、コンバイン用のクローラーにおいて、芯金サイズも必要になる場合があります。

芯金サイズ

コンバイン用クローラーの芯金サイズは、NタイプとWタイプの2種類があります。左右の芯金と芯金の内側の幅を頂上付近で計測します。Nタイプは40〜45mm、Wタイプは50〜55mmですが、ゴムクローラーの磨耗により2〜10mm前後広がっていることがあるので確認しましょう。

コンバインクローラ芯金サイズ確認方法

クローラーの交換に必要な工具

クローラー交換に必要な工具には主に、油圧ジャッキ、馬ジャッキスタンド、レンチ、ハンマー、カナテコ、バール、角材などが挙げられます。

クローラー交換時、油圧ジャッキの揚力は2tで十分です。コンバインが小型の場合は機体の下のスペースが狭いので、低床タイプの油圧ジャッキでないと入らないことがあるからです。

なお、馬ジャッキスタンドは3箇所に設置できるように3台、バールはクローラー取り外しの時に2本を用意しておきましょう。それぞれの作業時の負担が少なく済みます。

クローラーの交換方法

ゴムクローラーの交換は、水平なアスファルトやコンクリート地面などで行って下さい。小型のコンバインであれば1人でもできますが、中型以上のものであれば2人で交換をするのが望ましいでしょう。状況に応じてブレーキをかけたりギアをニュートラルにしたりと、安全を確保しながら行います。ここでは、交換時の手順をご紹介します。

1.テンションボルトを固定しているナットを締め、クローラーテンションを完全に緩めます。テンションボルトはコンバインの大きさにより17〜30mmまでが一般的ですが、一部メーカーでは、クローラーテンションをナットで調整するものもあります。

2.機体後部のフレームに油圧ジャッキをはめて最上位置まで上げ、馬ジャッキスタンドを設置します。ジャッキアップポイントは、ミッションケースの底面、右後のフレーム、左後のフリームの3箇所が一般的です。

馬ジャッキスタンド設置後、機体を最下部まで下げるとクローラー部が上がり、機体を浮かせることができます。ジャッキアップが低いと作業がやりにくいので、10cmは上げるようにして下さい。もし、リフト高が充分でない時は、角材を挟んで浮かせましょう。

3.クローラーを緩めるために、クローラー側から遊動輪部分をハンマーで叩き内側へ移動させます。ただし、中型以上のコンバインは、クローラーテンションを緩めた時点で移動する構造になっているのでハンマーで叩く必要ありません。

4.芯金と芯金の間にバールを入れ、クローラーを浮かせながら遊動輪から脱輪させます。バールを2本使いながら外すとやりやすいでしょう。遊動輪部分が脱輪したら、クローラーを外せるところまで引き出し、上転輪、駆動輪の順にバールを使いながら外して下さい。クローラーが全て外せたら、転輪や遊動輪が手で回してみて、ガタつきなどがないか確認します。

5.取り外しとは逆の順に、新しいクローラーを取り付けます。起動輪、上転輪と入れていきますが、芯金に遊動輪を近づけておくと上転輪に楽に入れることができるはずです。

クローラーのたわみ調整

クローラーの交換が終わってもすぐに走行はできません。必ずクローラーの張り具合を調整して下さい。メーカー指定のたわみ量が分かればそれに従い調整しますが、手で触って張り具合を覚えておくと、日頃のメンテナンスチェックがしやすくなるでしょう。調整はジャッキアップした状態のまま2度行いますが、上転輪があるクローラーとないクローラーでは、たわみを確認する場所が違ってきます。では、どのような部分を確認するかを見てみましょう。

<上転輪がないクローラー>

クローラー上部の中央あたりに片手荷重を加え、10〜15mm程度のたわみに調整します。

<上転輪があるクローラー>

上転輪があり、遊動輪の位置が後部転輪より高く離れているタイプのクローラーでは、クローラー下側の中央部分と転輪底面の隙間が15mm〜20mm程度になるように調整します。

上記の方法で最初の調整を行ったら、ジャッキアップした状態のままエンジンをかけ、クローラーをゆっくり2周ほどさせます。クローラーを回転させると、たわみの量が大きくなるので再び調整してください。

ゴムクローラーのサイズ確認と交換は、安全第一で行うことが大切です。2〜3条のコンバインなら、慣れれば30分程で交換できるようになるでしょう。土や湿田で作業する農業機械にとって、走行部はけん引力を発揮する重要な部分なので、劣化状態を見逃さず、早めの交換でトラブルを防ぐようにして下さい。