産業洗浄の目的と種類 【通販モノタロウ】

産業洗浄の目的と種類

工場や公共設備において、「洗浄」とはどのような意味を持っているのでしょうか。産業洗浄は単に汚れを落とすことが目的ではありません。また、その方法も一般的な「洗浄」とは異なり、特殊な技術が必要となります。産業洗浄を行う目的と種類について詳しく見ていきましょう。

産業洗浄とは

一般的には「洗浄」と聞けば、水や薬品を使って日用品や身の回りの物、実験道具や医療器具などの汚れを落とすことを想定する場合が多いでしょう。しかし「産業洗浄」は少し意味が異なります。

産業洗浄とは、工場内や工事現場、コンビナートや公共施設において、産業用機械の内外に付着している汚れを物理的・科学的な方法によって除去することです。機械を清浄化することによって次工程の不具合や異物混入などのリスクを下げ、品質向上に役立てることができます。そのため、産業洗浄はあらゆる生産工程の前後に行われます。また、その際の方法は、機械の性質や素材、汚れの種類に合わせて変えることが必要です。

この場合の「汚れ」とは、油分や塵・埃、スマットだけではありません。摩耗子や研磨粉、金属粉、フラックス、金属酸化物、錆び、カビなど非常に多岐にわたります。これらの汚れを界面化学や接着化学、そして洗浄科学といった専門的な知識に基づいた技術によって取り除いていきます。

産業洗浄の目的

産業洗浄には、単純に「キレイにする」というだけではなく、更にモノ作りにおける重要な役割があります。産業洗浄の目的は、主に「機械性能の向上」「商品の品質の向上」「外観の向上」の3つです。それぞれ詳しく見ていきましょう。

機械性能の向上

どんな機器や計器も、長時間稼働させることで汚れが付着し、劣化していきます。そのまま稼働させていれば性能が落ち、場合によっては停止してしまいかねません。洗浄することで劣化の原因を取り除き、機能性を復活させることができます。次工程への移行もスムーズになり、予定外の運転停止や事故を防ぐことができるでしょう。

商品の品質の向上

機械や設備を洗浄することで衛生的な環境が保たれます。商品への異物混入を防いで品質を向上できるほか、不良品の発生率も低下。顧客からの信頼性のアップにも繋がるでしょう。

外観の向上

機械や設備の美観を保つことは、職員の意識改革という点でも重要です。衛生面における重要性を意識させることができるでしょう。また、気持ち良く仕事に専念できるため、生産性のアップに期待ができます。

産業洗浄の対象となる汚れ

産業洗浄では、建物の壁や上下水道の配管、タンク・水槽、加熱炉や装置熱交換器など、あらゆるプラント設備を洗浄します。では、どんな汚れがその対象となるのでしょうか。汚れは大きく分けて「粒子汚れ」「有機汚れ」「無機汚れ」の3種類に分類されます。最も多いのは有機汚れですが、実際にはこれら3種が混ざった汚れであることが多いです。

粒子汚れ

固体微粒子による汚れです。静電汚れや埃・塵、泥・砂をはじめ、摩耗粉、切削粉、研磨粉などが挙げられます。

有機汚れ

有機物による汚れです。切削油やグリス、加工油やプレス油などの油脂、はんだ付けのフラックス、接着剤、樹脂、剥離剤、塗料などがこれにあたります。

無機汚れ

無機物による汚れです。金属表面の酸化膜、表面層形成膜、金属質残渣などが代表的です。

産業洗浄の種類(高圧洗浄と化学洗浄)

では、実際にどうやって洗浄作業を行うのでしょうか。その種類と方法を見ていきましょう。産業洗浄には、大きく分けて「高圧洗浄」と「化学洗浄」の2つの種類があります。

高圧洗浄

専用の装置によって加圧された高圧水を噴射し、その衝撃力によって汚れを落とす方法です。噴射範囲が多様な噴射ガンや、自由に曲げることができるフレキシブルホースなどがあり、洗浄箇所によって使い分けます。後方噴射ノズルを取り付けることで自走することができるため、チューブや管内の洗浄も可能です。建物や船舶の外面、床、タンクの内外、そして下水道管や熱交換器などの洗浄に用いられます。

化学洗浄

酸やアルカリ、溶剤や界面活性剤などの化学薬品を使用することで汚れを取り除く方法です。鉄やステンレス、アルミ、銅、塩ビ剤などあらゆる材質の機器設備が対象で、機器を取り外すことなく洗浄することができます。ポンプを利用して薬剤をボイラーなどの大型機器内に循環させる循環洗浄、薬剤を張った洗浄槽に対象物を浸す浸漬洗浄、薬剤を塗布する塗布洗浄やスプレーで吹きかけるスプレー洗浄などが代表的です。

産業洗浄は単に「キレイにする」というだけでなく、商品の品質向上や企業の信頼性にも大きく関わる重要な工程です。汚れの種類や環境を考慮して、企業にあった方法を選択し、正しい知識を持って洗浄に臨みましょう。