洗浄物の清浄度評価

清浄度評価とは、洗浄の効果の度合いを判断するために設けられた明確な評価基準のことです。産業洗浄における清浄度評価は、機関ごとに基準を定めて実施されているため、数多くの評価基準が存在することをご存じでしょうか。 清浄度評価のさまざまな評価方法について、まとめて解説します。

洗浄物の清浄度評価

被洗浄物の洗浄の効果を測定する清浄度評価は、製品の品質測定などにおいて極めて重要な役割を果たす評価技法です。清浄度評価はその評価方法から、定性評価法・半定量評価法・定量評価法の3つの区分に大別できます。 それぞれの評価方法のうち、代表的なものを以下の各項で見ていきましょう。

定性評価法による清浄度評価

定性評価法の清浄度評価とは、一般的にあらかじめ用意した汚れ見本などと対象物を比較して、対象物の汚れの度合いを判定する方法のことです。

目視

基準となる汚れ見本と照合して、対象物表面のシミや色合いなどを目視で検査します。

拭き取り法

対象物表面をティッシュペーパーやろ紙など所定の拭き取り布を用いて、一定の圧力で拭き、拭き取り布に付着した汚れの状態によって汚れ度合いを判定します。対象物表面が乾いた状態であるよりも、濡れた状態であるほうが汚れは検出しやすいです。 酸洗い後の冷延鋼板に生ずる微粒子(スマット)の検出にも適用できます。主に油汚れの評価に使われることが多いです。

濡れ試験

墨汁、インク、濡れ指数試薬など所定の液体を対象物表面に塗り、濡れの状態によって清浄度を判断します。

半定量評価法による清浄度評価

半定量方法とは、定性な清浄度評価に準ずる内容を、より定量に判断できる内容に発展させた評価方法のことです。

スプレーパターン法

対象物表面に水をスプレーし、水がはじかれた状態によって表面の清浄度を判定します。汚れ度合いの定量判別には、碁盤目線を描いた透明な板などを通して目視し、碁盤目を頼りに汚れの面積を割り出すことで、清浄度を評価するケースが多いです。

テープクロスカット法(碁盤目試験法)

塗装などの表面処理の前に行う、素地表面の洗浄の効果を測定する場合によく用いられる試験です。対象物表面に規定の碁盤目をカッターナイフなどで刻み込み、そこにテープを強く圧着し、勢い良く剥がしたあと、テープの状況を調べることで汚れ状況を定量的に判別します。

定量評価法による清浄度評価

定量方法は、汚れの成分や量を数値化して定数的に評価することができます。見本との比較などを用いる定性試験や半定量試験に比べて、分析機器や化学分析を主に使用するもっとも本格的な評価方法です。 評価に要する初期費用は高額ですが、精度の高い清浄度評価が可能となるので、超精密洗浄や精密洗浄を要する製品の品質評価においては必要不可欠な技術だと言えます。

重量法

評価対象物の洗浄前の重さと洗浄後の重さを比較し、洗浄によって除去できた汚れを定量的に判定する方法です。油分などの汚れの除去測定に向いています。

赤外線分光法/紫外線分光法

評価対象物に残存する油脂などの汚れを溶媒抽出し、赤外線分光光度計/紫外線分光高度計での測定によって汚れ量を数値化します。

電気伝導度法(伝導率法)/イオンクロマト法

評価対象物に付着したイオンを水に抽出して導電率を測定したり、イオンクロマトグラフィーでの測定などによってイオン量を定量化したりする試験法です。

放射性トレーサー試験

放射性アイソトープを含む人工汚れを被洗浄物に付着させ、洗浄を経たあとにガイガーカウンターを用いて放射性アイソトープの残存を検査する方法です。放射性物質処理などの問題から実施はやや困難ですが、極めて高感度な汚れ検知が出来るため、洗浄工程の精度を正確に評価する際には非常に有用だと言われています。

<まとめ>

洗浄物の清浄度の評価方法は、定性なものから定量なものまで幅広い方法が考案されています。検査実施の難易度や検査精度などを考慮して、適切な試験を行うようにしましょう。