洗浄システムの選定 【通販モノタロウ】

洗浄システムの選定

被洗浄物の汚れをしっかり落とせて、かつ、被洗浄物を傷つけず、低コストで環境にも優しい洗浄を行う洗浄システムの選定は、企業にとって命題です。洗浄システムの決定方法について、具体例とあわせて解説していきます。

洗浄システムの選び方

被洗浄物の材質や形状、落としたい汚れの種類、そして一度にいくつ洗浄するのか、どのくらいの清浄度が求められるのかなどによって、洗浄システムは大きく異なってきます。以下の条件を考慮して洗浄システムの選定するのがポイントです。

しっかりと汚れを落とせるか

被洗浄物に付着した汚れの溶解・拡散速度がなるべく早い洗浄剤や洗浄方法を選ぶ必要があります。かつ、洗浄剤中の汚れを除去する機能や、乾燥機能が優れていることが重要です。

被洗浄物に影響が出ないか

汚れがしっかり落ちても、被洗浄物が損傷しては無意味です。被洗浄物の材質や性能によって、洗浄剤や洗浄方法は限定されます。また、洗浄方法によっては洗浄剤の劣化を引き起こすこともあるので、洗浄剤と洗浄方法の組み合わせも重要です。

安全性は確保できるか

引火性のある洗浄剤を使用する場合は、安全のため、装置に防爆機能を設けたり、施設に防火システムを設置したりしなくてはなりません。その他、毒性が少なく、なるべく人体や環境に優しい洗浄方法を選ぶ必要があります。

前後の工程に支障が出ないか

たとえば、大量の部品を洗浄するために準備したのが小さな洗浄装置では、業務に遅れが生じてしまいます。前後の工程に合っている方法を選びましょう。また、工程の合間に洗浄を挟む場合は、既存の搬送方式をそのまま使用できるとスムーズです。

システムの規模やコストは適合しているか

小さな工場に対して大きすぎる洗浄システムでは、バランスが悪く余分なコストがかかります。設置コストだけでなくランニングコストも考慮し、システムを構築しなくてはなりません。

以上を踏まえて、具体的な洗浄システムを選んでいきます。洗浄システムを選ぶ際に決めることは以下の通りです。

  • 洗浄液…水系か非水系かなど。
  • ワーク…被洗浄物の材質、形状、数量など。
  • 洗浄精度…ざっくりと落とせれば良いのか、高精度を求められるのか。
  • 洗浄方法…超音波方式にするかスプレー方式にするかなど。
  • 乾燥方法…温風乾燥か真空乾燥かなど。

まずは洗浄剤の選定から始めると良いでしょう。落としたい汚れの成分を特定し、適した洗浄剤の候補をあげます。そのなかから、被洗浄物を傷つける可能性のある洗浄剤を除外してください。洗浄剤や洗浄精度が決定すれば、洗浄工程はある程度決まってきます。

次に、一度に洗浄する被洗浄物の量と時間を計算し、手動式なのか、自動装置なのかを決定しましょう。ある程度決まったら洗浄実験を行い、洗浄方法が合っているかの確認も必要です。

洗浄剤の候補が多い場合は、コスト面からも選定していきます。装置がシンプルになれば洗浄剤のコストが上がりますし、反対に洗浄剤のコストを下げれば装置が重厚になりますので、総合的に判断しながら絞っていきましょう。 最後に、環境への影響や将来性などを加味し、最終的な洗浄システムを決定します。

洗浄システムの例

では、具体的にどんな洗浄システムがあるのか一例をご紹介しましょう。

一般的な金属部品の例

噴流洗浄と超音波洗浄に温風乾燥方式を組み合わせたシステムが使われます。2回浸漬洗浄を行い、それぞれで噴流と超音波によって微細な汚れまで落とす方法です。とてもシンプルな洗浄システムであり、設備費が安く操作が簡単な点がメリット。洗浄剤は汚れに応じて時々交換します。

電子部品(リレー部品)の例

浸漬洗浄が3つに、液切り槽と真空乾燥の組み合わせが一般的です。洗浄槽を3槽設け、超音波方式の浸漬洗浄を3回行うことで高い清浄度を実現できます。液切り槽を設けることにより、洗浄剤を回収することが可能になります。回収した洗浄剤は蒸留再生するため、洗浄剤のコストも削減できるでしょう。

電子部品(リードフレーム)の例

こちらは、真空洗浄に真空乾燥の組み合わせです。まず2階層になっている装置の上室に部品を搬入し、減圧します。下室に移動して浸漬(超音波)方式で洗浄。更にシャワー洗浄を行ってから再び上室に移動し、乾燥させます。減圧洗浄は洗浄剤が外に漏れず、複雑な形状の対象物でも細かい部分までしっかり洗浄できる方法です。 蒸留再生機能がついているため、洗浄剤のリサイクルもできます。

<まとめ>

対象物やその個数、求められる洗浄精度やコストによって、洗浄システムは変わってきます。洗浄システムによって製品の品質や生産工程のスムーズさ、かかる費用も大きく異なってくるので、しっかりと吟味して自分たちに合ったシステムを選定しましょう。