定量ポンプとは

正確に決まった量の注入を行うことができるポンプを定量ポンプ(容積式ポンプ)と言います。正確な量の液体注入が重要視されるシーンにおいて、定量ポンプは欠かすことのできない技術です。定量ポンプの原理や種類にはどういったものがあるのでしょうか?以下にご説明いたします。

定量ポンプとは

定量ポンプ(容積式ポンプ)とは、定められた一定量の液体を高い精度で繰り返し注入することができるポンプのことを指します。

往復ポンプ/回転ポンプ

定量ポンプは、その仕組みによって往復ポンプと回転ポンプの2種類に大別することができます。

往復ポンプとは、簡単に言えば注射器や井戸の組み上げ装置のような仕組みを持つポンプです。シリンダーからピストン棒を任意の目盛りまで引抜くことでシリンダー内に一定量の液体を充填し、ピストン棒を押すことで液体を押し出します。 このように、装置の一部の往復運動を用いて液体の量り取りと押し出しを行う仕組みを往復ポンプと呼びます。

一方、回転ポンプでは、歯車やローターなどの回転運動を利用して、液体の定量量り取りと吐き出しを行います。往復ポンプ・回転ポンプそれぞれのさらに詳しい分類については次項で解説いたします。

使用シーンについて

定量ポンプの使用シーンは、化学工場での薬液注入や、水道ラインや貯水槽の滅菌処理における塩素注入、農業や畜産業などでの薬剤注入などが挙げられます。また、医薬品の製造ラインや、薬剤注入を行う医療機器などでも活用されます。 特にこれらの医療分野における定量ポンプは、ほんの1%の微量の薬液増減でも人命に関わる過誤が発生する恐れがあるため、より精度の高い液量制御能力が求められます。

定量ポンプの種類について

定量ポンプ(容積式ポンプ)は往復ポンプと回転ポンプの二種類に大別できます。ここでは、それらの詳しい種類をご紹介していきましょう。

ピストンポンプ

ピストンポンプは往復ポンプの一種で、2つの弁を組み合わせたもっとも基本的な仕組みを持つポンプです。ポンプ外部の棒を上下動させることで、シリンダー内部のピストンが往復して液体の吸い込み・吐き出しを行います。たとえば、井戸水の組み上げポンプなどがこのタイプに該当します。

プランジャーポンプ

プランジャーポンプは往復ポンプの一種です。プランジャーの往復動によって液体の吸い込みと吐き出しを行うタイプのポンプで、高圧での液体移送に適しています。ピストンポンプにおいてはピストン側に付属しているシールライン(パッキン)が、プランジャーポンプにおいてはポンプ本体側に固定されている点が違いです。

ダイヤフラムポンプ

ダイヤフラムポンプは往復ポンプの一種です。ダイヤフラム(膜)と2箇所の弁から成るポンプで、ダイヤフラムを上下動または左右動させて内部の容積を増大・減少させることで液体の吸い込みと吐き出しを行います。シールレス構造であることを強みとし、薬品の注入や輸送においてしばしば使用されるポンプです。

歯車ポンプ

歯車ポンプは回転ポンプの一種です。2枚の歯車を噛み合わせ、歯車の回転に合わせて液体の吐き出しを行う構造となっています。粘土の高い液体を、送り出すように移送する場合に使われることが少なくありません。

ベーンポンプ

ベーンポンプは回転ポンプの一種です。ポンプ内部に、ポンプの中心から少しズレたところを中心とする羽根車を設置し、羽根車から遠心力を用いてベーン(翼)が飛び出てくる仕組みとなっています。ベーンが液体を一定量ずつ送り出すように機能しているため、安定して液体を運ぶ時には適しているでしょう。

ねじポンプ

ねじポンプは回転ポンプの一種です。筒状のポンプ内部でねじを回転させ、その回転にともなって液体をネジ軸に沿って移送する構造となっています。ねじの本数によって1軸ねじポンプから3軸ねじポンプまであります。

<まとめ>

定量ポンプは、精密性が要求される液体の定量注入において優れた能力を発揮する装置です。機械の性能において重要な役割を担っているため、適切な種類を選ぶようにしましょう。


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