工具の通販モノタロウ > 電気のおはなし > 1-5並列回路とは

電気のおはなし
私たちの生活から切り離せない存在、「電気」。 電気が循環する回路の種類や、電気の測定、電気用品、発電、電源など、 電気にまつわるあらゆる基本的な事項をご紹介していきます。
第1章 電気回路

1-5 並列回路とは

工場の電動機や照明等の負荷への配線、オフィスの複写機、パソコン等の負荷への配線、住宅内のエアコン、家電品等の負荷への配線など電力会社から受電した電気を負荷へ供給している配線回路のほとんどが並列回路を形成しています。このような並列回路の実例を見ていきましょう。

並列回路の例

○ 電球用提灯コード

神社やお寺の祭礼の時に参道を飾る電球入りの提灯やお花見の時に桜並木を照明する電球は、一本のコードに多くの電球ソケットが並列に配線されて並列回路を形成する電球用提灯コードが使われています(図1、図2)。 省電力で長寿命なLED照明が使われるようになった現在でも多数の電球を短期間使用する電球用コードでは白熱電球がまだ健在です。

図1:電球用提灯コードの例とそのJIS記号による配線図

図1:電球用提灯コードの例とそのJIS記号による配線図

図2:お花見における電球入りの提灯の使用例

図2:お花見における電球入りの提灯の使用例

○ 住宅内への受電配線

電柱等から引き込まれた電力会社の引き込み線は電力量計を通って、住宅内に設置されている住宅分電盤へと配線されています(図3)。 住宅分電盤内ではサービスブレーカ、漏電ブレーカ、安全ブレーカの3段階にわけて住宅内で並列に接続されて並列回路を形成している電気機器と電気配線の安全を確保しています。

  • サービスブレーカは、住宅内の合計使用電力が電力会社との契約容量を超えると電気が遮断されます。
  • 漏電ブレーカは、住宅内で漏電が発生すると電気が遮断されます。
  • 安全ブレーカは、照明器具やコンセント、テーブルタップなど部屋の使用容量が制限値を超えると電気を遮断します。内線規程の勧告事項により、新設される安全ブレーカは、コード短絡による火災発生を抑えるために短絡が発生すると即断するコード短絡保護機能付きを使用することになりました。

図3-1:住宅用分電盤の例

図3-1:住宅用分電盤の例

図3-2:単相3線式100V/200Vの配線図

図3-2:住宅用分電盤の例

図3-3:単相3線式100V/200Vの配線図

図3-3:単相3線式100V/200Vの配線図

○ 山手線の饋電回路

山手線は都心を囲んでループ走行しており、内回りと外回りの電車があります(図4)。 29の駅があり、ループ距離34.5kmを1時間弱で走行しています。内周りと外周り合計平均50本の電車が負荷として走行して並列回路を形成しています。 走行動力の三相誘導電動機は、モノポールパンタグラフより饋電した直流1500VをVVVFインバータにより電圧と周波数が制御されています。

・山手線E235系の車両編成

一編成は11両の車両から構成されています。ホーム柵が導入されたのに対応するためにすべての車両が4扉に統一されました。新たに導入が始まったE235系の車両編成とその仕様をつぎの表に示します。

表1:山手線E235系の車両編成

  内回り             全車両4扉車                外回り
号車 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
形式 クハE235-0 サハE235-4600 モハE235-0 モハE234-0 サハE234-0 モハE235-0 モハE234-0 サハE235-0 モハE235-0 モハE234-0 クハE234-0
車両重量(t) 33.3 27.1 31.7 31.1 29.2 32.3 31.1 29.3 31.5 30.8 33.4

  • クハ:運転台のついている車両
  • サハ:運転台や電動機のついていない車両
  • モハ:電動機のついている車両

表2:並列回路のまとめ

  並列回路
電源 負荷値に応じて分流
電圧値 不過電流と同じ 電源電圧と同じ
電流値 不過電流を加算 負荷値に応じて分流
執筆:常深 信彦

『電気のおはなし』の目次

第1章 電気回路

第2章 電気の測定

第3章 回路計

第4章 電気用品

第5章 発電

第6章 電源装置

目次をもっと見る

『分電盤』に関連するカテゴリ