建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第2章 建築設備用配管材料の種類

2-2 圧力配管用炭素鋼鋼管

この鋼管は「STPG」という略称で呼ばれているが、”Steel Tubing Piping General”の頭文字を省略したものである。SGPと異なり、化学成分はJIS G 3454では「鉄鋼五元素(C・Si・Mn・P・S)」がきちんと規定(明記)されている。STPGは、使用温度:350℃程度以下の、「圧力配管」に使用される鋼管材料である。 この配管材は、「白ガス管」の場合、冷温水管(開放系・密閉系とも)・冷却水配管・消火配管(水系一般・ガス系)等や「黒ガス管」の場合、冷温水管配管(密閉系)・冷媒管・高温水管・蒸気管(蒸気還水管を除く)・油管などに用いられる。

その製造方法は、後述するように「継目無鋼管」と「電気抵抗溶接鋼管(電縫管)」の2種類があり、引張り強さにより”STPG 370”と”STPG 410”とがある。

当然のことながら、同じ配管口径でもSGPに比べ肉厚が厚いので、配管長さあたりの単位重量もSGPに比べ重くなる。

通称「スケジュール管」と呼ばれ、種類は「呼び径」・「呼び厚さ」によるが、管肉厚は”スケジュール番号”によって、それぞれ「スケジュール:Sch10・Sch20・Sch30・Sch40・Sch60・Sch80」に区分されている。 一般には「Sch40」および「Sch80」がよく使用されるが、我々はこれを「スケ4(ヨン)」とか「スケ8(ハチ)」とか呼んでいる。

スケジュール番号(Sch No.)=10×p/s
ここに、p:最高使用圧力(MPa)s:使用状態における管の許容圧力(MPa)

STPGの使用範囲は、高耐圧を要求される、地域冷暖房(DHC)配管・高温水配管(注)・高圧蒸気管等で、圧力が10MPa以下で、温度が-15℃〜350℃の流体である。

注:高温水配管=普通の温水は、温度:100℃以下であるが、配管系を加圧して100℃  以上の温水を得る。この温水を「高温水(high temperature hot water)」といい、高温水暖房やDHCの温熱源として採用している。ちなみに、ドイツでは110℃以上の温水を「高温水」としているが、日本ではそのような定義はないが、概ね110℃〜180℃程度の温水のことをいう。

ところで、通常「安全率(技術用語解説参照)」は4とされているので、最高使用圧力 は、Sch10のSTPG370で、「0.925MPa(9.2kgf/cm²)」、Sch80のSTPG410で、「8.1MPa (81kgf/cm²)」である。

【技術用語】安全率(safety facter)とは?

材料の強度試験時、試験片(テストピース)が破壊するまでに現れる「最大応力度」と「許容応力度」の比。

 

【豆知識】 SGPおよびSTPGの製造方法

SGPおよびSTPGは、製造方法によって通常呼び径:100AのSGP・STPGに対して適用される「鍛接鋼管:CW法」と呼び径:125A以上のSGP・STPGに対し適用される「電気抵抗溶接鋼管(電縫鋼管):ERW法」とがある。

 

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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