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建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第2章 建築設備用配管材料の種類

2-5 樹脂内面被覆鋼管(内面ライニング鋼管)

樹脂内面被覆鋼管(内面ライニング鋼管)とは、鋼管(SGP)の内面に「樹脂管」を内装(ライニング:豆知識参照)した「複合管」の総称である。この管材の開発趣旨は、「強靭性」のある「鋼管(SGP)」と鋼管の弱点である「耐食性」に優れた、「樹脂管(プラスチック管)」を合体させて「シナジー(相乗)効果」を生んでいる。

従って、規格記号もJIS規格ではなく、当然のことながら、JWWA(日本水道協会規格)やWSP(日本水道鋼管協会)となっている。

【豆知識】ペインテイング管・コーテイング管・ライニング管

鋼管(SGP)を原管として、その内面に何らかの加工(processing)を施した「複合管」を、総称して「内面ライニング鋼管」と呼んでいるが、詳述すると以下の3種がある。

  • 1:ペインテイング鋼管
  • 「防錆」を目的とした、表面処理の一種である。外気に暴露されている配管内部の塗装を施した鋼管で、「塗装膜厚」は比較的薄く、100ミクロン(0.1mm)前後となる。
  • 2:コーティング鋼管
  • 「防錆」でなく「防食」を目的にして行うもので、「ピンホールレス」の耐久性が期待される複合管である。ちなみに、国土交通省監修の「公共建築 工事標準仕様書」では、施工塗膜厚:0.3mm未満を「コーテイング」、0.3mm以上を「ライニング」と定義している。
  • 3:ライニング鋼管
  • 「ライニング」とは本来「内貼り」のことで、洋服地の裏地のことを「ライナー(liner)」ということが、どうやら語源のようである。そこから、基材の鋼管(SGP)に対し、「内貼り」・「外貼り」などを行い、「重防食」の目的を達成した複合管のことである。

 

代表的な樹脂内面被覆鋼管(内面ライニング鋼管)には、1水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(JWWA K 116・記号:SGP-VA・SGP-VB・SGP-VD)、2水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管(JWWA K 132・記号:SGP-PA・SGP-PB・SGP-PD)、 3水道用耐熱性硬質塩化ビニルライニング鋼管(JWWA K 140・記号:SGP-HVA)、4排水用ノンタールエポキシ塗装鋼管(WSP-032・記号:SGP-NTA)などの4種類がある。

【ちょっと一息!】中国人と塩ビライニング鋼管の話

レッキス工業(株)が、かつて中国蘇州に「配管用ねじ切り機械製作工場」を新設した。我々の仲間:レッキス工業(株)の円山昌昭氏が、レッキス工業(株)蘇州工場に転勤常駐しているということで、「管端防食継手研究会」のメンバー20名程度で関連日系企業の見学調査を兼ね、中国の上海・松山・蘇州などを訪問した。

蘇州では、中国の配管工事関係者と、配管工事に関して「意見交換会」を開催した。この席で中国人配管工事技術者に対して、「塩ビライニング鋼管」と「管端防食継手」の説明をしたのだが、彼らにはどうしても理解できないようであった。

そこで黒板に絵を描いて説明すると、やっと理解してもらえたが、”日本人は鋼管(SGP)の内側に塩ビ管(VP)を挿入して、二重管にして使用するなんて贅沢だ!「地球資源のムダ使い」ではないか?”と非難された。 ”日本では、水道水(中国語では「自来水」という)を「塩素消毒」するので、鋼管(SGP)だけだとじきに腐食が進行してしまうので、「塩ビライニング鋼管」を使用するのだ。”と説明すると、”日本では、鉄管の水をそのまま飲むのか?”と、ビックリするような答えが返ってきた。

 

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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