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建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第2章 建築設備用配管材料の種類

2-6 水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管

かつて、給水配管専用の「水道用亜鉛めっき鋼管(JIS G 3442・SGPW・通称:ダブダブ管)」が存在したが、現在その名称だけが「水配管用亜鉛めっき鋼管」に変更されて現存している。しかし、給水配管(飲料水配管)には適用しないことになった。

そこで最近給水配管の主流になっているのが、ここで紹介する「水道用硬質塩化ビニルライニング鋼管(以降塩ビライニング鋼管と称す)」と次項で紹介する「水道用ポリエチレン粉体ライニング鋼管(ポリ粉体ライニング鋼管と称す)」の二つである。

この塩ビライニング鋼管には、以下のような特徴がある。

  • 1:原管(母管)は、SGP(JIS G 3452)を使用している。
  • 2:SGP内の「塩ビ管(VP)」の厚さは、口径:15〜65Aは1.5mm、口径:80〜125Aは2.0mm、口径:150Aは2.5mmである。
  • 3:外面仕上げの方法は、VA:一次防錆仕上げ(管外色:茶色)、VB:亜鉛めっき仕上げ(管外色:亜鉛めっき(水配管用亜鉛めっき鋼管(SGPW)と同様))、VD:硬質塩化ビニルとなっている。塩ビライニング鋼管は、下図に示すような構造をしている。

(1)エルボ継手(2)樹脂成型継手(3)コア装着リング(4)シール止め(5)硬質塩ビライニング鋼管(6)樹脂製ねじ付きコア(7)シール材

この種のライニング鋼管は、直管内面は「合成樹脂(syntetic resin)」で覆われており腐食の問題はないのだが、継手に接合される「管の切断面(管端部)」が水に接すると、この部分に「集中腐食」が発生する。

したがって、いかにして「鋼部分」が水に接しないようにするかが重要であり、本管の使用当たっては、以下のようなことに留意する必要がある。

1ねじ接合を採用する場合には、必ず「管端防食継手」を使用すること!

 

2ねじ切り機は、おねじが「規定の長さ」に切れるように、必ず「自動切り上げダイヘッド付き」のねじ切り機を使用すること!

3配管施工者(現場管理者およびねじ配管工)に「管端防食継手」の機構を理解させ、 「ねじ加工精度」の管理を徹底させること!

4大口径の場合、「フランジ接合」や「ハウジング型メカニカル接合」では、工場加工 でライニング加工する場合が多いが、「水が接する部分」、すなわち「ガスケット(豆 知識参照)の当たり面)」まで完璧にライニングをすること!

【豆知識】ガスケット材とアスベスト(石綿)

ガスケット材(日本で配管工の間で一般言われている”パッキン(packing)”)は、配管を「フランジ接合」する際に、フランジの面間に挿入され、配管系の気密性・水密性を確保する目的で使用される。 現在のように「アスベスト(石綿)問題」が社会問題化する以前は、建築設備業界では、「アスベスト・ガスケット(アスベスト・パッキン)」を使用するのが常識であった。 「アスベスト(石綿)」は、「耐熱性」に優れている他に、いくつかの優れた特性を具備しているが、人間にとって「有害物質」であるという理由により、現在ではその使用が制限されている。 建築設備業界もその影響を受け、現在では「石綿製ガスケット」は姿を消している。その代わりに、「NAガスケット(ノン・アスベスト・ガスケット)」が一般に使用されるようになった。その主役が現在「PTEF(テフロン)」を材料にした「ガスケット」なのである。

 

本項の末尾になるが、塩ビライニング鋼管の保管上・施工上の留意事項を記述しておく。塩ビ管は、「耐熱性」に劣るので、高温の場所に保管しないこと!また、管の切断にあたっては、管が局所的に高温になるような切断を絶対に避けること! 以上のことに留意しないと、塩ビライニング部に、「焼け」・「変質」・鋼管とライニング部の「剥離現象」などの欠陥が発生するので要注意である。

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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