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建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第3章 配管の接合方法の種類

3-2 炭素鋼鋼管(SGP)の転造ねじ接合法

「中空管」に「塑性変形(plastic deformation)」を加えて、「転造ねじ加工」をほどこした「転造ねじ加工配管」の開発は、日本が世界に誇れる「ねじ配管技術」である。その様々な長所は後述するとして、まず「転造ねじ接合法」について述べるが、本質的には、前項の「切削ねじ接合法」と全く同じである。

(1)鋼管の切断:切削ねじ接合法に準ずる。

(2)転造ねじ加工(ねじ切り):鋼管の管切断が完了したら、「ねじ切り機(自動切り上げダイヘッド付き)」に「切削ねじ用ダイヘッド」を取り付けるのと同様の要領で、「転造ねじ用ダイヘッド(注)」を装着し、先ず「スクレーパ(scraper)」で、鋼管の「真円加工」を実施する。この際「送りハンドル」を早く回すと「真円加工」ができなくなり、「多角ねじ」が発生しやすくなるので、この点に留意する必要がある。

注:「転造ねじ用ダイヘッド」は、レッキス工業(株)からセットで購入することもできるし、レンタルリースすることもできる。

この管材に「真円度」を出す工程で「切粉」が発生するが、鋼管の表皮を軽く向きとる感じで、「切粉の量」は切削ねじの場合に比べ「1/12程度」ではるかに少ない。この「真円加工」が終了した後に、鋼管の管端に「転造ねじ加工」を行う。

(3)ねじ込み作業:鋼管のねじ込み作業前に実施すべき、「準備作業」については「切削ねじ接合」の場合とまったく同じである。

したがって、「転造ねじ配管」のねじ込み作業は、「切削ねじ配管」のねじ込み作業に準じて実施できるが、「転造ねじ」は、ねじ部が厚く「ねじ精度」が高くなっているため、切削ねじ接合の場合に比べ、「締め込みトルク」はやや大きくなる。

この締め込みトルクを「切削ねじ接合のトルク」に近づけるため、「転造ねじ専用シール剤:ZT(一般配管用:乾性固着タイプ)」を必ず使用する。ここでは紙面の都合上、前項で触れることのできなかった事項について、以下で少し紹介してみたい。

(1)「テーパねじ(JIS B 0203)」と「平行ねじ(JIS B 0202)」

建築設備用配管に使用されているねじには、上記の2種類がある。「平行ねじ」は、ボルト・ナット・小ねじといったねじで、例えば衛生設備の「水栓(カラン)」などによく使用されている。一方、「テーパねじ(管用(くだよう)テーパねじ)」は、「taper」という文字が示すように、円錐の外面または内面にねじ山があり、ねじ端部に行くにしたがって「先細り(傾斜)」するねじである。テーパねじの「継手」と「おねじ」を締め付けると、「フランク面」の両側は完全に密着する。「転造ねじ」も当然「テーパねじ」である。

図-1 テーパねじのフランク面

(2)「切削ねじ(Cutting thread)」と「転造ねじ(rolling thread)」

従来から現在まで広範に使用されている「切削ねじ」は、管肉部をバイトで削りながらねじ山を作るのに対し、ねじのヌーベル・バーグ「転造ねじ」は、転造(rollinng)によりねじ部を「塑性加工」して形成されるねじである。

図-2 「切削ねじ」と「転造ねじ」の違い

(3)ねじゲージによる加工ねじ検査(切削ねじの検査と共通)

ねじゲージによる「ねじ加工精度検査」の実施頻度に関しては前項で既述したが、ここではねじゲージ検査の要領について述べる。

【ねじゲージ検査による合格・不合格判定基準】

1.切られた「おねじ」に「ねじゲージ」を手で止まるところまでねじ込む。ただし、軽く叩いて再度「締め増し」するようなことをしてはいけない。

2.止まった「ねじ先端位置」で合否を判定する。

3.切られたおねじが「不合格」の場合には、ねじ切り機ダイヘッドの「ねじ径微調節つまみ」で「ねじ径」を調節し、新たにねじを切り直す。

図-3 加工ねじ合否の判定基準

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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