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建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第3章 配管の接合方法の種類

3-4 炭素鋼鋼管(SGP)の溶接接合法(前編)

溶接接合法は、建築設備では大口径管(一般的には65A〜350A程度)に採用され、非常に「信頼性のある鋼管接合法」であるが、「溶接工の熟練度」を必要とする接合法でもある。

「溶接接合法」は、一般にいって「切削ねじ接合法」に比べ、「接合強度」の点で信頼性が高く評価されているが、その利点・欠点をここで列挙してみたい。

  • [利点]
  • 継手強度が高い。
  • 水密性・気密性に優れている。
  • 極薄肉厚から超厚肉厚の管まで適用できる。
  • 材料の節約(重量軽減)ができる。
  • 工程低減が図れる。
  • 配管コスト低減が図れる。
  • [欠点]
  • 材質が部分的に変化する。
  • 変形(ひずみ)が生じる。
  • 残留応力が残る。
  • 応力集中に敏感である。
  • 作業者の技量の影響が大きい。
  • 施工管理が難しい。
  • 品質の検査が難しい。
  • アーク光・ヒューム・スパッタ・電気などに起因する災害に留意する必要がある。
  • 溶接作業環境は、劣悪となりやすい。
(1)溶接接合法と原理

「溶接(welding)」とは、簡単にいえば「原子間の結合」により、2個以上の物体を局部的に結合させる管接合方法である。ちなみに、建築設備に一般に採用される溶接接合法には、「ガス溶接接合法」と「被覆アーク溶接接合法」がある。

図-1 被覆アーク溶接接合法の原理

(2)ガス溶接接合法

ガスの熱を利用して金属を溶接する方法を「ガス溶接接合法」といい、「ガス炎」の種類で区別する場合は、1.酸素アセチレン溶接、2.酸素水素溶接、3.空気アセチレン溶接の3種類の方法がある。この中でも、「酸素アセチレン炎」が最も高温が得られるので、1の酸素アセチレン溶接が最もよく使用されている。

したがって、一般に「酸素アセチレン溶接」が、ガス溶接の代名詞になっている。ガス溶接接合法は、操作が簡単な上に、設備費が安価・運搬が容易・加熱温度が自由などのメリットがあるので、利用範囲が広い。

しかしながら、消耗度が高い・熱効率が低い・加熱時間が長いため「脱炭」や「酸化」などの「組織変化」が多いというデメリットもある。一般に「ガス溶接」は、小口径管の溶接に採用されることが多く、また、管の「ガス溶断」にもよく使用される。

写真-1 酸素アセチレン溶接の手作業と酸素アセチレン溶接装置

(3)被覆アーク溶接接合法

「アーク溶接法」は、「被覆アーク溶接法」と「不活性ガスアーク溶接法」に大別される。ここで述べる「被覆アーク溶接接合法」は、別名:電気溶接接合法とも呼ばれる。現在建築設備配管工事の溶接接合法には、この「被覆アーク溶接法」が多用されているが、鋼管の溶接には最も広く採用されている溶接法である。

「被覆アーク溶接法」は、溶接の酸化等の障害をなるべく少なくするために、「フラックス(溶剤)」を塗布した「被覆溶接棒」を使用し、フラックスの燃焼によって「溶融金属」と「空気」を遮断して溶接する方法である。

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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