建築設備配管工事の基礎講座
空調設備や換気設備、給排水衛生設備の血管となる「配管」。本連載では、配管方式の分類から配管工事・配管材料の種類まで、現場や商品選定時に役立つ知識を紹介していきます。
第4章 配管の接合方法の種類

4-2 弁(バルブ)類

バルブ(valve)とは、設備用配管を構成する「部材」で、配管における「流体制御」を司る『配管のお巡りさん』とも呼ばれている。バルブは”流体を流したり、止めたり、制御するため、内部に可動機構を有する配管機器”と定義されている。

建築設備に使用されるバルブ類は、1.汎用弁、2.自動制御弁、3.特殊弁類に大別することができる。

(1)汎用弁

管路に組込まれ、管路の遮断や流量および圧力調整や流体の逆流防止などの目的で主に使用されるものである。

1.玉型弁:

この弁は、「グローブ弁」または「ストップ弁」とも呼ばれている。球形状の「弁箱」をしており、弁体は管路をふさぐように閉める構造のものである。

弁の「締め切り性能(流量特性)」が良いので、「流量調整用」として、また「蒸気用弁」として採用されるが、次の「仕切弁」より重量が重い。

なお、一般的に、口径:50A以下の弁には「青銅製ねじ込み型バルブ」が、また、口径:65A以上の弁は「鋳鉄製フランジ型バルブ」が使用されるケースが多い。

衛生設備に採用される、一般の「水栓」も「玉型弁」のも一種である。

図-1 「玉型弁」と「仕切弁」

 

2.仕切弁:

この弁は、「ゲート弁」または「スリース弁」とも呼ばれている。弁体が管路を垂直に仕切るように開閉するものである。この弁は、原則として「管路の開閉用」と使用すべきで、「流量調整用」として使用してはならない。このバルブも、「玉型弁」同様、一般に口径:50A以下の弁には、「青銅製ねじこみ型バルブ」が、口径:65A以上の弁には「鋳鉄製フランジ型バルブ」が使用されるケースが多い。

図-1 「玉型弁」と「仕切弁」

 

【ちょっと一息!】「配管突き事故」に注意!

「青銅製ねじ込みバルブ」に、雄ねじ加工した「鋼管」を「過大なトルク」でねじ込んでいくと、銅合金材料製の雌ねじの「バルブ端面外径」が伸びて、結果として際限なく(エンドレスに)ねじが広がって行き「バルブ端」が破壊してしまうことがある。

この現象にようトラブルを我々専門家の間では、「配管突き」とか「バルブ突き」と呼んでいる。「雄ねじ加工配管」を、「馬鹿力」で「青銅製ねじ込みバルブ」にねじ込まないこと!

3.バタフライ弁:

円筒形の弁本体の中心に、「円板状の弁体」を設け、この弁体を回転させることで「管路の開閉」を行う構造の弁である。弁の回転を「蝶の羽」に例えて明明された弁で、上記2種類の弁に比べて「軽量」で「設置スペース」が少なくてすむので、大口径配管の「開閉バルブ」として多用されている。なお、バタフライ弁には、「操作ハンドル」の違いにより「ウォームギヤ式」と「ロックレバー式」がある。

図-2 「バタフライ弁」と「逆止弁」

 

4.逆止弁:

通称「チャッキ弁」と呼ばれ、流体が一方向にのみ流れ、反対方向への流れを阻止する機能を有するバルブである。「スイング型」と「リフト型」があり、この他「揚水ポンプ」などに使用される、ばねを用いて急閉止させる構造の「衝撃吸収式逆止弁」もある。また、特殊な逆止弁として「フート弁」がある。

図-2 「バタフライ弁」と「逆止弁」

 

5.その他の弁:ラジエータバルブ・ボールバルブなどがあるが、ここでは説明を割愛させていただく。

(2)自動制御弁

自動制御弁は、温度・湿度・圧力などの信号によって、「流体の流量」や「混合比」の制御を、「小型モータ」、または「空気圧」で自動的に操作できるような構造となっている弁である。その種類としては、「電動二方弁」・「電動三方弁」・「電磁弁」・「温度調節弁(温調弁)」などがある。

図-3 自動制御弁の種類

 

(3)特殊弁類

特殊弁類としては、減圧弁・安全弁・ストレーナ・自動水位調整弁(フロートバルブ)・自動空気抜き弁・蒸気トラップ・衝撃防止弁・封水(排水)トラップ・無弁通気口装置等々がある。

図-4 減圧弁・安全弁・Y型ストレーナ

 

執筆:NAコンサルタント 安藤紀雄
挿絵:瀬谷昌男

『建築設備配管工事の基礎講座』の目次

第1章 建築設備と建築設備配管

第2章 建築設備用配管材料の種類

第3章 配管の接合方法の種類

第4章 配管工事を支える補助部材

第5章 配管のテストと試運転

第6章 配管に関するトラブル対応

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