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加工現場の手仕上げ作業の勘どころ
ものづくりの現場において機械を頼らず手作業で行なう、「手仕上げ加工」。本連載では、各工程に沿って、加工現場における手仕上げ加工のコツをお教えします。
第3章 やすり作業

3-2 やすりかけ作業を行なうために

1. やすりの柄の付け方、はずし方

やすりの柄の付け方は図3-5のように柄とやすりを垂直になるよう支えて、図3-6のように柄の頭部を万力の胴のような硬いところで打ちつけて慣性でやすりのこみを柄に真直ぐに深く入れます。 柄からやすりをはずすときには、図3-7のように万力の角などに柄を当てて、やすりを引き抜く方向に引っかけて滑らせながら軽く打ちます。

  • 図3-5
  • 図3-5
  • 図3-6
  • 図3-6

図3-7

図3-7

 

2. やすりの持ち方

やすりの持ち方は図3-8のように、やすりの柄の端を右手の手の平のくぼみに当て、図3-9のように親指を上にして他の指を下側に回して軽く握ります。左手は、やすりの形状や作業によりますが、基本的には、図3-10のようにやすりのほ先を親指付け根の手の平で支えるようにして工作物にやすりを当てます。

  • 図3-8
  • 図3-8
  • 図3-9
  • 図3-9

図3-10

図3-10

 

3. やすりかけの姿勢

やすりかけは、姿勢を正しくして行わないと正確な作業ができません。 そのためには、 工作物にやすりをのせ、図3-11のように、ほぼ直角に曲げたひじの高さが工作物の高さになるように工作物の高さや位置を調整して工作物をしっかりと固定します。 次に図3-12に示すように、やすりのほ先が工作物の中心になるように体を構えて工作物の中心線上に右足を置き、中心線と70~80°になるように足を傾けます。 左足を工作物の方向に半歩出して爪先を工作物の近くの位置にくるようにして、腕の力を抜き、やすりを工作物に対して軽く前後に動かせるように体と足の位置を調整します。 やすりかけは図3-13のような姿勢で、ほ先から根元まで体重をやすりにかけて体全体で前方に進ませます。やすりの切れ刃の断面は図3-14のようにバイトと同様なすくい角があり、このすくい角が切削を行います。 すくい角はおよそ10°前後です。やすりは押すときに切削が行われるので、引くときには切削が行われないため力を抜いて軽く引きます。引くときにも力を入れると切れ刃が後ろ側から押されるため、傷めてしまうので注意が必要です。

  • 図3-11
  • 図3-11
  • 図3-12
  • 図3-12

図3-13

図3-13

 

執筆: APTES技術研究所 代表 愛恭輔

『加工現場の手仕上げ作業の勘どころ』の目次

第1章 切断作業

第2章 きさげ作業

第3章 やすり作業

第4章 磨き作業

第5章 けがき作業

第6章 穴あけ作業

第7章 リーマ作業

第8章 ねじ立て作業

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