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機械要素の基礎講座
多くの産業を支える機械の基礎として重要な「機械要素」。 歯車やベルト・チェーン、ばねなど多岐にわたります。本連載では、 それらの機械要素について、知っておくべき基本的な事項をご紹介していきます。
第1章 歯車

1-3 歯車のピッチとモジュール

歯車を滑らかにかみ合わせるためには、インボリュート曲線が用いられていることは説明しましたが、歯形全体の形状のイメージはもてたでしょうか。ここで、かみ合う二枚の歯車の組みのことを歯車対といいます。 そして、歯車対がかみ合うためには、歯形が等しい形状をしており、常に歯車の中心から等しい距離にあるピッチ円上で接触する必要があります。 歯車の歯はピッチ円の円周に沿って等間隔に配置されており、歯と歯の間隔をピッチといいます。 また、ピッチ円の直径を歯数で割った値をモジュールといい、歯車対がかみ合うためにはモジュールが等しくなければなりません。

歯車の直径が等しい歯車対の場合にはもちろん、歯車の直径が異なる歯車対にもモジュールは等しい必要があります。このことはよく考えてみれば当然のことですが、たまにポスターに描かれた歯車などで、大きさが異なる歯車の歯形の方を大きく描いたものなどがあります。 モジュールが異なる歯車対はかみ合うことができません。

モジュールは整数値、または簡単な少数の系列としてT列とU列が規格化されており、できるだけT列のモジュールを用い、必要に応じてU列を用いるとされています。T列の主なモジュールには、1, 1.25, 1.5, 2, 2.5, 3, 4, 5, 6, 8, 10 12などがあります。

図1 モジュールの一例

図1 モジュールの一例

モジュールが定義された背景には、円周に関係するものの寸法を表すときに登場する無理数である円周率πを用いずに、切りの良い数値で歯車の大きさを表そうとしたことがあります。

ピッチ円の直径をd[mm]、歯数をz[枚]とすると、モジュールm[mm]とピッチp[mm]の間には次式が成り立ちます。

【d=mz[mm]】

たとえば、ピッチ円の直径が80mm、歯数が20枚の歯車のモジュールは、m=d/zより、m=80/20=4mmとなります。

歯車を購入する場合にも、形状を表す数値として、モジュールと歯数は重要となります。おおまかなモジュールの大きさは頭に入れておくとよいでしょう。

なお、歯車の大きさをインチ単位で表したものとして、ダイヤメトラルピッチDPがあり、基準円直径1インチ(=25.4mm)当たりの歯数で表されます。モジュールmとダイヤメトラルピッチDPとの間には、次の関係が成り立ちます。

【DP=25.4/m】

機械要素では多くの場合、メートル系の単位が用いられますが、インチ径の単位が用いられることもあるので、頭に入れておくとよいでしょう。

執筆:宮城教育大学 教育学部 技術教育専攻 門田 和雄 准教授

『機械要素の基礎講座』の目次

第1章 歯車

第2章 ベルトとチェーン

第3章 ばね

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