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機械要素の基礎講座
多くの産業を支える機械の基礎として重要な「機械要素」。 歯車やベルト・チェーン、ばねなど多岐にわたります。本連載では、 それらの機械要素について、知っておくべき基本的な事項をご紹介していきます。
第1章 歯車

1-8 二軸が交わる歯車の特長と種類

歯車には回転を伝達する二軸が交わる種類もあります。かさ歯車は傘の形状に似た円すい形の歯車であり、べべルギアともよばれます。二軸が交わる角度は90度が一般的です。 一般的なかさ歯車は歯すじが円すいの直線部分と一致するすぐばかさ歯車であり、スラスト荷重が小さいという特長を生かして幅広く用いられています。なかでも、交わるかさ歯車の歯数が同じであり、歯すじの面が45度でかみ合うものをマイタ歯車といいます。

  • かさ歯車
  • マイタ歯車

平歯車ではなくはすば歯車を使用するのと同様に、すぐばかさ歯車では騒音や振動が問題となり、より滑らかなかみ合いが求められる場合には、歯すじが円すい部の直線と一致しないはすばかさ歯車が用いられます。

  • まがりばかさ歯車

まがりばかさ歯車は歯すじが曲線状のかさ歯車であり、曲線状の歯がつるまき線状に絡みつくことでより滑らかな伝動ができます。 このことで騒音や振動を抑えることができ、歯に対する負担も減ります。なお、歯すじのねじれ方向は互いに逆となります。これらが用いられるのは、大きな動力を滑らかで高速に伝えたい産業用ロボットやNC工作機械などです。


  • 冠歯車

冠歯車は円すい部分が平面状になったかさ歯車の一種であり、フェースギアともよばれます。 また、その形状が王冠に似ているため、クラウンギヤともよばれることもあります。これは平歯車を平らにしてラックにしたように、かさ歯車を平らにしたものであり、主に平歯車と組み合わせて、回転軸を90度にして用いられます。


歯車の中には、2軸が平行でなく交わりもしない食い違い軸とよばれるものもあり、その代表としてウォームギヤがあります。

ウォームギヤは円筒形の素材にねじのようならせん状の歯があるウォームとこれにかみ合って動くウォームホイールを組み合わせた歯車です。一段の歯車列で大きな減速比を得ることができることや大きな動力を伝動できるなどの特長があります。 ちなみにウォームとはミミズのように細長く柔らかい虫を意味します。その用途は自動車のパワーステアリングのように大きな動力が必要なものから、ギターの弦の糸巻き装置であるペグなどに用いられる小型のものまで、広く用いられています。 また、ねじれ角が45度のはすば歯車であるねじ歯車も食い違い軸となります。

  • ウォームギヤとホイール
  • ねじ歯車
執筆:宮城教育大学 教育学部 技術教育専攻 門田 和雄 准教授

『機械要素の基礎講座』の目次

第1章 歯車

第2章 ベルトとチェーン

第3章 ばね

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