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マシニングセンタの基礎講座
モノタロウの本連載では、マシニングセンタの種類や仕組み、使い方について、実践的で役立つ知識をご紹介していきます。
第2章 マシニングセンタの装備

2-2 自動化の仕組み:APC(オートマチック パレットチェンジャ、自動パレット交換装置)

APCはAutomatic pallet Changerの頭文字を取った略称で、自動パレット交換装置のことです。機械加工の自動化は加工品質を安定させ、人件費を抑制できるので加工コスト削減にも有効です。このため、機械加工の自動化は時代を追うごとに進化していますが、自動化の基本は工作物の着脱です。工作物が小さい場合はロボットアームを使用して着脱を行うことができますが、大きい場合はロボットアームを使用するには限界があります。また、工作物が異形状な場合には治具などが必要になるため着脱には時間とノウハウが必要になります。工作物の着脱は加工品質、加工コストに直結するため機械加工の永遠の課題です。

工作物の着脱は加工を行うための段取り作業の一つですが、段取りの種類には「外段取り」と「内段取り」の2種類があります。

外段取りはマシニングセンタを停止しないで行う段取りのことで、主として、マシニングセンタの機外で行う段取り作業を示します。一方、内段取りはマシニングセンタを停止して行う段取りのことで、主として、マシニングセンタの機内で行う段取り作業を示します。内段取りを行っている間はマシニングセンタが停止しているため、内段取りの時間が長くなるほど1日で加工できる製品数が減ります。したがって、内段取りはできる限り外段取りに変えていくことが大切です。

APCを装備することにより、外段取りで工作物の着脱ができ、マシニングセンタの稼動率を向上させることができます。また、パレットを複数台装備することによって夜間や休日など長時間の無人運転を行うこともできます。さらに、マシニングセンタの機内で行う段取り作業はテーブルの奥側に手が届きにくく、工作物との接近性が悪いことや、クレーンを使用する際にも作業空間に制約が生じやすいですが、機外で行うパレットによる段取りはオープンスペースで作業が行えることが利点です。

横形マシニングセンタは重力によって切りくずが落下し、切りくずが切削点近傍に溜まりにくく、自動化に適しているため、立て形マシニングセンタに比べてAPCを装備している割合が多いです。

APCの駆動力には油圧が多用されていますが、小型のマシニングセンタではサーボモータ(電動)を使用しているものもあります。サーボモータは油圧に比べて、交換速度が速く、作動油が不要で環境に優しいことが利点です。

APC
APC(オートマチック パレットチェンジャ、自動パレット交換装置)

 

執筆: 芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科 澤 武一 教授

『マシニングセンタの基礎講座』の目次

第1章 マシニングセンタの基礎知識

第2章 マシニングセンタの装備

第3章 マシニングセンタを動かすソフトウエア

第4章 マシニングセンタの要素技術

第5章 マシニングセンタの特性と関連知識

第6章 マシニングセンタを使用する際の基礎知識

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