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ねじの基礎講座
私たちの身近にあって欠かせない存在、「ねじ」。
ねじにはどのようなはたらきや歴史があり、どんな種類があるのか。
本連載では、ねじに関するさまざまな事項をご紹介していきます。
第2章 ねじの種類

2-5 タッピンねじの種類

おねじの締結には必ずめねじに相当するものが必要だと思われるかもしれませんが、実はめねじがない個所で用いられるねじも存在します。木材にねじ込むのに適した先端形状とねじ山をもつ木ねじがその代表です。その頭部形状や頭部のくぼみの形状に応じて、十字穴付き丸木ねじ(図1)や十字穴付き皿木ねじ(図2)などが規定されています。

  • 図2 皿木ねじ
  • 図2 木ねじ

締結する相手が木でなく、薄い鋼板やプラスチック材料などに用いられるものとして、タッピンねじがあります。家電製品やパソコンなど、身の回りのプラスチック製品の締結に用いられているねじの多くがこのタッピンねじです。JISではタッピンねじと規定されていますが、一般的にタッピングねじとよばれることもあります。 このねじの特徴として一般的なねじに比べてピッチが大きいこと、そして先端部がとがっていたり、一部分に溝が切られたりすることがあげられます。 すなわち、タッピンねじでは、この先端部で自らねじを切りながら締結を行うのです。めねじが必要ないということで、ナット座金を使用しないですむこと、締結前の加工を減らすことができるなどのメリットがあります。すなわち、これらの作業性の良さが大量生産の場面などでは多いに役立つのです。

タッピンねじのねじ先の形状には、1999年のJIS改定により、先端部がとがったC形、先端部が平らなF形、とがった先端部にやや丸みがあるR形などがあります。このときにそれまでのJISにあった1種〜4種は附属書扱いになりましたが、現在でも市場性のあるタッピンねじの多くはこちらの規格で流通しています。

1種タッピンねじはAタッピン(図3)ともよばれ、ピッチがもっとも荒く、先端部がとがっている代表的なタッピンねじであり、薄板の締結に用いられます。2種タッピンねじは1種タッピンねじよりもピッチが細かく、先端部の2〜2.5山にテーパがあります。 これはさらに先端部に溝をもたないB0タッピン(図4)、先端部を4分の1カットして相手部材に切り込みやすくしたB1タッピン(図5)に分類され、これらは主に厚さが5mm程度までの鋼板の締結に用いられます。3種タッピンねじは通常の小ねじと同じピッチで先端部の2.5〜3山にテーパがあります。 これはさらに先端部に溝をもたないC0タッピン(図6)と先端部を4分の1カットして相手部材に切り込みやすくしたC1タッピン(図7)に分類され、2種タッピンよりも厚い鋼板の締結に用いられます。4種タッピンねじはABタッピンともよばれ、1種のように先端がとがっており、ピッチは2種に準じたねじです。


  • 図6 皿タッピンねじ3種溝なしC-0形
  • 図6 皿タッピンねじ3種溝なしC-0形

  • 図7 皿タッピンねじ3種溝付C-1形
  • 図7 皿タッピンねじ3種溝付C-1形
執筆:宮城教育大学 教育学部 技術教育専攻 門田 和雄 准教授

『ねじの基礎講座』の目次

第1章 ねじのキホン

第2章 ねじの種類

第3章 ねじの強さ

第4章 ねじの材料

第5章 ねじの作り方

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