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ねじの基礎講座
私たちの身近にあって欠かせない存在、「ねじ」。
ねじにはどのようなはたらきや歴史があり、どんな種類があるのか。
本連載では、ねじに関するさまざまな事項をご紹介していきます。
第2章 ねじの種類

2-6 六角ボルトと六角穴付きボルトの働きと締め付け力

ねじをもつナットと組んで使われるおねじの総称のことをボルトといいますが、ねじとボルトの厳密な違いはありません。小ねじという場合には一般的に呼び径が8mm以下、すなわちM8以下程度のものを言いますが、ボルトの場合にはM3からM20程度のものが多く流通しています。 代表的なボルトの頭部形状は、その外形が六角形の形状をした六角ボルトと頭部に六角形のくぼみがある六角穴付きボルトです(図1・2)。 六角穴付きボルトはその頭部形状が円筒形のものが一般的ですが、頭部が皿形の六角穴付き皿ボルトや頭部がボタン形の六角穴付きボタンボルトなどもあります(図3・4)。また、六角穴付きボルトは英語でhexagon socket head cap screwということから、キャップスクリューと呼ばれることも多いです。

  • 図2 六角穴付きボルト
  • 図2 六角穴付きボルト

  • 図4 六角穴付ボタンボルト
  • 図4 六角穴付ボタンボルト

六角ボルトと六角穴きボルトを使い分ける場合にポイントとなるのは、頭部形状を隠しやすいかどうか、また強い締め付けができるかという点です。小ねじの頭部形状では、接合部の表面から頭部が出る「なべ」や頭部が隠れる「皿」がありました。 六角ボルトは、締結の際に六角の辺を利用するため、「なべ」のように接合部の表面から頭部が出るのが一般的です。 これに対して、六角穴付きボルトの場合には中心にある六角形のくぼみの部分で締結を行うため、「皿」のように接合部の表面から頭部を隠すことができます。このとき、皿ねじに座ぐりが必要だったように、頭部を隠すためのくぼみが必要になります。 ただし、皿ねじと違って、六角穴付きボルトの場合には必ずしも頭部を隠さないで使用することも多くあります。

タッピンねじのねじ先の形状には、1999年のJIS改定により、先端部がとがったC形、先端部が平らなF形、とがった先端部にやや丸みがあるR形などがあります。このときにそれまでのJISにあった1種〜4種は附属書扱いになりましたが、現在でも市場性のあるタッピンねじの多くはこちらの規格で流通しています。

ねじの締め付け力については、どのような工具で締結をするのかにもよりますが、六角ボルトの六角形の平行な二面にスパナをあてて締結するよりは、六角穴付きボルトのように軸の中心に六角レンチを入れて六角形のすべての辺を利用して締結したほうが、安定した締め付けができます。 また、ボルトは一本だけでなく、近い場所で複数用いられることも多くあります。そのような場合、六角ボルトだと六角形の平行な二面を利用して締め付けるスパナでは隣のボルトに接触してしまいます。また、六辺をすべて覆うソケットレンチを用いたとしても、その工具の大きさがあるため、すぐ近くで他のボルトを締め付けることはできません。 これに対して六角穴付きボルトを六角レンチで締め付ける場合には隣のボルトの心配をすることがないため、作業性が良いだけでなく、狭いスペースでもコンパクトに締結ができることになります。そのため、締結力が必要な工業製品では六角穴付きボルトが好んで用いられています

執筆:宮城教育大学 教育学部 技術教育専攻 門田 和雄 准教授

『ねじの基礎講座』の目次

第1章 ねじのキホン

第2章 ねじの種類

第3章 ねじの強さ

第4章 ねじの材料

第5章 ねじの作り方

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