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ねじの基礎講座
私たちの身近にあって欠かせない存在、「ねじ」。
ねじにはどのようなはたらきや歴史があり、どんな種類があるのか。
本連載では、ねじに関するさまざまな事項をご紹介していきます。
第5章 ねじのつくり方

5-3 タップによるめねじ加工

切削加工でめねじを加工するねじ立て作業には、タップを用いる方法があります。 タップはドリルなどで穴あけをした円筒形の内側にめねじを刻むための刃をもつ食いつき部をもつ工具です。 タップは通常、先端の食いつき部の山数が7〜10山の先タップ、3〜5山の中タップ、1〜3山の上げタップの三本が一組になっており、タップハンドルと一緒に用います。 この作業は正しい操作法を身に付ければ、比較的簡単にめねじ加工ができるので便利です。なお、めねじを切る工作物の円筒部を垂直にしっかり固定するために万力などの固定具が必要になります。 また、タップによるめねじ切りを始める前に、ドリルなどで工作物に円筒形の下穴をあけておく必要があります。このとき重要となるのは下穴の寸法です。 例えば、M6のめねじを切りたいときに直径6mmの下穴をあけてしまうと、タップがこの穴に埋まってしまい、めねじ切りができません。 下穴の直径の目安として、切りたいめねじの呼び径の約80%とします。ゆえに、M6の下穴は直径5mmのドリルを用います。次にタップによるめねじ加工の手順をまとめます。

(1)めねじを加工したい工作物を用意して、万力などの固定具を用いて固定します。

(2)工作物の直径に応じた一組のタップを用意して、タップ回しに先タップを固定します。

(3)タップを下穴に差し込んだら、タップ回しを下向きに押し付けながら回転させます。このときタップがきちんと垂直に食い込むかが大きなポイントになります。

(4)タップ回しを一回転ほど回して円筒部に食い込んだら、下向きに押し付ける力は不要となるため、回転のみを加えていきます。

(5)タップを同じ方向に回転させ続けると切りくずが詰まったりして、回しにくくなってきます。そのため、タップ回しを2回転させたら、半回転ほど戻しながら加工を進めていきます。

(6)切りくずを巻き込んで次の加工をすると、めねじがつぶれたりすることもあるため、途中で出る切りくずは、ブラシや圧縮空気などを用いて取り除く必要があります。

(7)先タップで切りくずが出なくなったら、中タップ、上げタップを用いて順番に加工していきます。

タップによるめねじ加工では、過大な回転力を無理に加えると折れてしまうことがあるので、切削油を加えるなどして注意をして作業を進める必要があります。 タップは一種類で一つの寸法の加工しかできないため、いくつかの寸法のものを用意しておきます。ただし、タップ回しについては共通して使えるものがあります。

図1 タップによるめねじ加工の様子

図4 タップ・ダイスセット

執筆:宮城教育大学 教育学部 技術教育専攻 門田 和雄 准教授

『ねじの基礎講座』の目次

第1章 ねじのキホン

第2章 ねじの種類

第3章 ねじの強さ

第4章 ねじの材料

第5章 ねじの作り方

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