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ねじの基礎講座
私たちの身近にあって欠かせない存在、「ねじ」。
ねじにはどのようなはたらきや歴史があり、どんな種類があるのか。
本連載では、ねじに関するさまざまな事項をご紹介していきます。
第5章 ねじのつくり方

5-4 旋盤によるねじ切り

旋盤は円筒形の工作物を主軸に取り付けて回転させ、これにバイトとよばれる切削工具を接触させて切削加工を行う代表的な工作機械です。 主として端面削りや外周削り、溝削りなどを行いますが、おねじ切りやめねじ切りなどの加工もできます。 旋盤にはさまざまなレバーがあり、 汎用旋盤ではこれらの多くの人間の手操作で行います。工業高校の機械実習ではこの旋盤加工を重視しており、おねじ切りができるところまでを入門編として実施しています。 ここでは詳細なレバー操作は省略しますが、旋盤加工の流れを紹介します。

図1 旋盤の外観

旋盤によるおねじ切り

(1)おねじ切りを行うバイトは、一般的なメートルねじの場合、先端の角度が60度のねじ切りバイトです。このバイトを工作物に対して垂直に取り付けます。

(2)加工したいねじのピッチに合うように切り替えレバーを操作するとともに、ねじ切りバイトの送り速度などを決めます。

(3)ねじ切りは大きな切り込み量で一度に進めることはできないため、工作物の材質や加工したいねじのピッチの大きさに応じた切り込みで、少しずつねじ山を成形します。 たとえば、一回の切り込み量を0.1mm程度にして、これを数回〜数十回繰り返して粗削りをした後、最後は切り込み量を0.02mm程度にして仕上げます。

  • 図2 おねじ切りの様子
  • 図3 完成したおねじをナットと組み合わせたもの
旋盤によるめねじ切り

めねじ切りバイトをセットすれば基本的にはおねじ切りと同様にして加工を行います。 ただし、めねじは工作物の内側にねじ山を切るため、おねじ切りのように加工の様子を直接見ることができず、手元のレバーを見ながら操作する必要があります。

図4 おねじ切りとめねじ切り

旋盤によるねじ切りはバイトの自動送り機能があるため、すべての加工を手動で行うわけではありませんが、この方法では大量生産には限界があります。 そこで登場するのが旋盤に数値制御(Numerical Control)の機能をもたせたNC旋盤です。 ここではバイトの移動距離や送り速度などを数値化したものをプログラムにして、自動的に加工を行います。

NC旋盤によりおねじ切り

プログラム作成の基本は、工具の設定、主軸の回転速度の設定、運転開始、ねじ切りバイトの移動、運転終了などです。 座標系は上下に動く方向をX軸、左右に動く方向をZ軸などとします。 なお、NC旋盤を使用しても大きな切り込み量で加工を一度に進めることはできないため、 複数回でねじを成形するのは汎用旋盤と同じです。一度プログラムを作成すれば、人手を介することなく加工を進めることができるため、大量生産が可能になります。

図5 NC旋盤の座標設定例

図6 小型旋盤

  • 図7 おねじ切りバイト
  • 図8 めねじ切りバイト
執筆:宮城教育大学 教育学部 技術教育専攻 門田 和雄 准教授

『ねじの基礎講座』の目次

第1章 ねじのキホン

第2章 ねじの種類

第3章 ねじの強さ

第4章 ねじの材料

第5章 ねじの作り方

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