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遠心ポンプの基礎講座
電力、自動車、建設機械、鉄鋼、化学、食品など、多くの産業分野において使用されている「ポンプ」。
本連載では遠心ポンプにスポットをあてて、ポンプの種類、またポンプで使われる記号や圧力計の読み方などの豆知識まで、さまざまな事項をご紹介していきます。
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第2章 ポンプの性能

3-1 ポンプの性能曲線の見方

3-1-1 性能曲線

ポンプの性能は、吐出し量を基に、それぞれの吐出し量に対する全揚程、効率、軸動力、NPSH3、電流などの能力のことをいいます。 性能を具体的に表すために、これらの数値に加え、容易に性能を読み取れるように、性能曲線でも表示します。 性能曲線は横軸に吐出し量を取り、立軸に全揚程、効率、軸動力、NPSH3などの数値を曲線で表示します。 性能曲線には全揚程、効率および軸動力の3つの値は必ず表示しますが、NPSH3、電流などは必要に応じて書きます。

性能曲線の例を図3-1-1に示します。図3-1-1では横軸に吐出し量(m3/min)を取り、左側に、全揚程(m)、効率(%)、軸動力(kW)を書いていますが、目盛の大きさはそれぞれ異なるので、それぞれの目盛を使って書いています。

図3-1-1:ポンプの性能曲線

図3-1-1:ポンプの性能曲線

この例のポンプの定格点は、吐出し量が7m3/min、全揚程26mです。 そこで、吐出し量が7m3/minの点から立方向に太い線を引いて、その線上で全揚程26mとの交点に○印を付けて、ここが定格点であることを示しています。 そして、吐出し量が7m3/minの立方向の太い線と軸動力の45 kWの交点にも○印を付けています。この点はモータの定格出力が45 kWであることを示しています。

吐出し量7m3/minを例にすると、吐出し量が7m3/minの立方向の線とそれぞれの交点を読むとポンプの性能が分かります。効率は77 %、NPSH3は3.5m、電流は約150 Aになります。他の吐出し量の場合も同様です。

ポンプの定格点は、ポンプメーカと購入者が契約した性能のことで、ポンプの受渡しのときの性能判定に使用します。 図3-1-1に示すポンプの定格点は、吐出し量7m3/min、全揚程26m、効率77 %、NPSH3 3.5mです。ポンプの受渡しのとき、性能試験をした結果、これらの値が許容値以内であるかどうかで合否を決めるのです。

しかし、このポンプはこの1点の吐出し量でしか運転できないわけではありません。最小吐出し量と最大吐出し量の間であれば、任意の吐出し量で運転が可能です。性能を曲線で表すことによって、任意の吐出し量における性能が分かるのです。

3-1-2 等効率曲線

性能曲線には、もうひとつ図3-1-2に示す「等効率曲線」と呼んでいるものがあります。特定のポンプの全体の性能を知ることができます。 図3-1-2において、横軸に吐出し量、立軸に全揚程、効率およびNPSH3が表示されています。 吐出し量と全揚程の関係は右下がりの曲線で示されていて、それぞれの曲線の右端に「259 DIA.」「237 DIA.」および「207 DIA.」とあります。 「259 DIA.」はそのポンプの羽根車の最大径、「237 DIA.」は中間径、「207 DIA.」は最小径のときの全揚程を示します。

図3-1-2:ポンプの等効率曲線

図3-1-2:ポンプの等効率曲線

効率は「259 DIA.」の全揚程の上に、「20, 30, 40,45,・・・66, 67, 66, 65,・・・60」と示されている数字です。 これらの最大の数字が「67」になっているので、最大径「259 DIA.」のときの最高効率は67%、そのときの吐出し量は71m3/hになります。 中間径「237 DIA.」では、最高効率は67%、吐出し量は65.5m3/h、最小径「207 DIA.」では、2つの効率65%の点から類推して、最高効率は65.3 %、吐出し量は57.5m3/hと推測できます。 全揚程の上に示された効率の曲線は、天気図でいう等圧線に似ているので、この図を「等効率曲線」と呼んでいるのです。

NPSH3の曲線はこの例では1本しかないので、羽根車径に無関係に吐出し量で決まります。

執筆:外山技術士事務所 所長 外山幸雄

『遠心ポンプの基礎講座』の目次

第1章 ポンプの基礎

第2章 ポンプの豆知識

第3章 ポンプの性能

第4章 ポンプの選定

第5章 知っておきたいポンプの技術

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