工具の通販モノタロウ > 切削工具の基礎講座 > 6-6サイドカッタとメタルソー
切削工具の基礎講座
ものづくりに欠かせない「切削工具」。切削工具にはどのような種類があるのか?購入する時に気を付けることは?使い方は? 本連載では、切削工具の正しい知識について、ご紹介していきます。
第6章 切削工具の基礎講座

6-6 サイドカッタとメタルソー

サイドカッタとメタルソーは見分け方や使い分けに迷う切削工具です。サイドカッタは外周面と両側面に切れ刃を持つ切削工具で、側(がわ)フライスとも言われます。刃の形状は普通刃、荒刃、千鳥刃があります。

サイドカッターとメタルソー

サイドカッターとメタルソー



メタルソーは外周面にのみ切れ刃を持ち、刃の形状は普通刃と荒刃があります。

サイドカッタとメタルソーの大きな違いは切れ刃の位置で、上記の通り、サイドカッタは外周面と両側面に、メタルソーは外周面にのみ切れ刃を持ちます。

サイドカッタは両側面に切れ刃を持つため、幅(厚み)方向の寸法が切れ刃の部分が最も大きく、本体の寸法が小さくなっています。つまり、切れ刃の幅(厚み)に比べて本体の幅が薄いため、切込み深さが大きい場合でも本体の側面と工作物の側面が擦れず、溝部の側面がきれいに仕上がります。このため、サイドカッタは主として溝加工に適しています。

一方、メタルソーは外周面にのみ切れ刃を持ち、両側面には切れ刃がなく、幅(厚み)方向は切れ刃と本体の寸法が同じになっています。このため、切れ刃の高さ以上に切込み深さを大きくすると、本体の側面と工作物の側面が擦れ、加工した溝部の側面がきれいな仕上げ面になりません。このため、メタルソーは主として切断加工に適しています。

サイドカッタやメタルソーには本体の側面と工作物の側面の干渉を防ぐために刃先から本体中心に向かってわずかに幅方向の寸法を小さくしたものも市販されています。このように切削工具と工作物が擦れないように逃げを付けるために設けるテーパを「バックテーパ」といいます。バックテーパはドリルにも施されています。

バックテーパ

バックテーパ



サイドカッタおよびメタルソーは図に示すように上向き削りで削ります。下向き削りは刃が工作物に食い込む量が最大からはじまるため、刃が工作物に食い込む瞬間に最も大きな切削抵抗が生じます。サイドカッタおよびメタルソーは薄く、剛性が低いため、下向き削りでは刃が食い込まず、空転し、折損してしまいます。

上向き削りと下向き削り

上向き削りと下向き削り



サイドカッタ、メタルソーで工作物を切削する際に生じる切りくずは刃が工作物に食い込んでから抜けるまで刃と刃の間隔(チップポケット)に溜まり、工作物の外には排出されません。つまり切れ刃が工作物に食い込んでから抜けるまでに排出できる切りくずの量はチップポケットの大きさ以下であり、送り速度や切込み深さを大きくし、切りくずの排出量がチップポケットの大きさを上回ると破損します。

サイドカッタやメタルソーを使用した溝加工や切断加工は切込み深さを小さく、送り速度を若干速くして数回にわけて行うのがよいでしょう。

執筆: 芝浦工業大学 デザイン工学部 デザイン工学科 澤 武一 准教授

『切削工具の基礎講座』の目次

第1章 切削工具とは?

第2章 穴あけ加工と穴仕上げ加工

第3章 旋盤用の切削工具

第4章 フライス加工用の切削工具

第5章 研削砥石

第6章 特徴的な切削工具

目次をもっと見る

『カッター・メタルソー』に関連するカテゴリ