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測定工具の基礎講座
ものづくりの現場において欠かせない存在、「測定工具」。
測定工具にはさまざまな種類があり、それぞれに特徴があります。
本連載では、各測定工具の使い方や寸法の読み取り方に関して、実際の写真や図を通してご紹介していきます。
第7章 基準器

7-3 高さ基準<ハイトゲージ>

定盤の上で行う作業で最も利用頻度が高いのは高さ基準となるハイトゲージです。ハイトゲージの高さを表示する機構はノギスと同じです。写真1のように、高さ寸法の表示方法で、バーニア式、ダイヤル式、デジタル式がありますが、基本的な形状は同じです。

写真1 バーニア式・ダイヤル式・デジタル式

写真1 バーニア式・ダイヤル式・デジタル式

定盤の上をすべるベースブロックから垂直に伸びるメインバーがあり、スライダはメインバーを上下します。スライダの最下部にはスクライバが取り付けられるようになっており、この刃先でけがき線を引くことができます。

スクライバを取り外して図2のようにテコ式ダイヤルゲージを取り付けると、ハイトゲージの目盛りとダイヤルゲージの読みで、高度な組立調整を行うこともできます。

図2 テコ式ダイヤルゲージを取り付けたハイトゲージ

図2 テコ式ダイヤルゲージを取り付けたハイトゲージ

1. バーニア式ハイトゲージの各部の名称と機能

バーニア式ハイトゲージは操作する箇所が多数あるので、まずそれぞれの名称と機能を確認しましょう。ハイトゲージの各部の名称と機能は以下の通りです。

(1)スライダ

上下に動く部分です。写真3を見てください。スライダは微動機構を挟んで粗動と微動に分かれています。粗動と微動にそれぞれ独立して固定ネジが付いています。

(2)スクライバー

スライダの下部にスクライバーが付いています。スクライバーは先端が尖っており、金属の表面に「けがき線」を切り付ける刃先となっています。スクライバー取り付け部分は取り外しできるので、ここにテコ式ダイヤルゲージを取り付けることができます。

(3)メインスケールの調整ネジ

バーニアスケール式ハイトゲージの一番上にはメインスケール自体を上下微動する機構が必ず付いています。

写真3 バーニア式ハイトゲージの各部名称

写真3 バーニア式ハイトゲージの各部名称

写真4 スクライバー

写真4 スクライバー

2. ハイトゲージの動かし方

スライダ部分の動かし方は、バーニア式とダイヤル式(デジタル式も同じ)では異なります。

(1)バーニア式の動かし方

例えばスクライバーの先端を50mmにしたい場合、粗動と微動の固定ねじを緩め、スライダー全体を大よそ50mm付近まで大きく動かします。この状態で粗動の固定ネジを締め、微動ねじを動かしてバーニアスケールを見ながら50mmに合わせます。このとき、写真5のように目的の寸法よりも低い位置から上に向けて微動ネジを回して合わすことが重要です。これは上下に動かす摺動機構を操作する場合の常識で、必ず下から上へ動かす方向で合わせます。これは摺動面のガタの影響を防ぐためのものです。この動作を次々に繰り返して、ケガキ作業などを行います。

写真5 ハイトゲージの動かし方

写真5 ハイトゲージの動かし方

(2)ダイヤル式(デジタル式)の動かし方

ダイヤル式やデジタル式の場合は、写真6のように裏側の大きなハンドルを回すだけで行えます。スライダの固定はダイヤルの下にあるクランプを使います。一度少し低い位置まで大きく動かし、ゆっくり上げて目的の寸法にします。下から上へというのはバーニア式と同じ理由です。

写真6 デジタル式ダイヤルゲージ(裏)

写真6 デジタル式ダイヤルゲージ(裏)

ダイヤル式ハイトゲージは、バーニアスケールの代わりにダイヤルスケール(一回転1mm)で見やすくなっています。デジタル式ハイトゲージは上下動が高分解能のリニアエンコーダーと連動して、写真7のように正確に上下の移動寸法を表示します。

写真7 デジタル式ハイトゲージ(表)

写真7 デジタル式ハイトゲージ(表)

3. ハイトゲージはまず「ゼロ合わせ」から

ハイトゲージを正しく使うためには最初に「ゼロ」合わせが必要です。

以下、順番に紹介します。

(1)スクライバーを基準面に合わせる(共通)

スクライバーの先端(底面)が定盤の基準面と一致するときにスケールの目盛りが正しく「ゼロ」になっているかを確認します。このとき、写真8のように定盤の端にハイトゲージを移動し、スクライバーの底面と定盤の基準面の当たりを見ます。ちょうどこすれあっていればOKです。

写真8 ハイトゲージのスクライバと基準面に合わせる

写真8 ハイトゲージのスクライバと基準面に合わせる

(2)目盛りゼロを確認する(共通)

スクライバーを基準面に合わせたら目盛りのゼロが合っていることを確認します。バーニア式の場合、写真9のようにメインスケールとバーニアスケールのゼロがピッタリ合っているはずです。

写真9 ハイトゲージのゼロ確認

写真9 ハイトゲージのゼロ確認

ゼロでない場合の目盛りの校正はバーニア式、ダイヤル式、デキタル式でそれぞれ違うので、お手持ちのハイトゲージのところをご参照ください。

(3)バーニア式ハイトゲージの校正

バーニア式の場合はメインスケールを上下して「ゼロ」を合わせます。

メインスケールの調整は写真10のように、まずスクライバの底面が基準面に合った状態を作り、スケールの固定ネジを緩めて一番上のスケール調整用ネジによってゼロ点を合わせます。合ったらスケールの固定ネジを締めて完了です。大きく違う場合には裏の粗動固定ネジを緩め、ゼロに近い位置で止めて、スケール位置を微調整します。最後にスケールをしっかり固定してください。再度スクライバーと基準面の当たりを確認し、問題なければこれで校正完了です。

写真10 バーニア式ハイトゲージのメインスケール高さ調整

写真10 バーニア式ハイトゲージのメインスケール高さ調整

(4)ダイヤル式ハイトゲージの校正

スクライバー先端と定盤基準面を合わせたら、ダイヤルの針が「ゼロ」であることを確認。もしズレていたら、ダイヤル目盛板の固定ネジを緩めて目盛板を回転させ、針と目盛板の「ゼロ」を合わせ、固定ネジを締めます。

(5)デジタル式のハイトゲージの校正

デジタル式であれば「ゼロ」あるいは「RESET」ボタンを押すだけです。機種によってボタンの位置や操作が少し異なるので、取り扱い説明書をよく読んでください。

余談ですが、デジタルハイトゲージはある位置から下側に何ミリというような使い方もでききて便利です。

4. ハイトゲージを使った測定

部品の形状によってはノギスなどで測ることができない部分も、定盤とハイトゲージを使うと簡単に測定することができます。

定盤の上に測定したい物を置き、ハイトゲージのスクライバー底面を測りたい面に合わせて、目盛を読み取るだけです。

写真11のように、スクライバーの代わりにダイヤルゲージやピークメータを取り付ければ基準面からの傾きも測ることができます。

写真11 ダイヤルゲージピークメータを取り付けた測定

写真11 ダイヤルゲージピークメータを取り付けた測定

執筆:株式会社日本中性子光学 河合 利秀

『測定工具の基礎講座』の目次

第1章 ノギス

第2章 マイクロメータ

第3章 ダイヤルゲージ

第4章 定盤

第5章 ブロックゲージ

第6章 水準器

第7章 基準器

第8章 トルクなどの力を測る

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