電子装置を開発する現場では,電子部品やIC,新規に考案した回路を評価するために,試作と実験が繰り返されています.それは,良い部品やICを厳選し,最良の回路を構築することが,競争力のある製品を作るために欠かせないからです.限られた開発時間内に,できるだけ多くのターゲットを評価するためには,万能基板(ユニバーサル基板)やはんだごてなどを活用して,手際良く実験ボードを作り上げる必要があります.プリント基板CADを使ってデータを作成する時間や,基板を発注し,でき上がってくるのをぼんやりと待っている時間はありません.小型で扱いにくい部品や,配線が性能に致命的なダメージを与える高性能ICも,目の前にある道具を使いこなして正しい評価を行う必要があります. 本書では,回路の開発や部品/ICの評価に欠かせない,試作用万能基板への部品の実装テクニック,ニッパやラジオ・ペンチなどの工具の選び方と使いこなしを解説します.信憑性の高い実験データの取得に活用ください.