


大学の研究室で教育と実験の両方に使えるマルチメータを探しており、SIGLENTのSDM3045Xを導入しました。4けた半クラスの精度は、講義や実習レベルから研究用途まで幅広く対応でき、学生にも扱いやすいバランスだと感じます。直流・交流電圧や電流、抵抗、容量、周波数、導通、ダイオード測定など、基本的な測定項目をすべてカバーしており、授業中の基礎実験から卒業研究レベルの評価まで十分対応可能です。
特に便利なのは、大きく見やすい4.3インチのカラーディスプレイとグラフ表示機能です。測定値の変化を視覚的に確認できるため、学生にも理解しやすく、指導の際にも役立っています。また、LANやUSB経由でパソコンと接続でき、PythonやLabVIEWを使った自動計測にも対応しているので、データロギングや統計処理の教育にも応用できます。
一方で、ファンの音がやや気になる場面があり、静かな実験室では少し注意が必要です。また、測定スピードは上位機種ほど高速ではないため、急変する波形の観測には向きません。それでも、価格・機能・安定性のバランスが良く、教育現場における標準的なマルチメータとして非常に優秀です。導入後は、学生実験や装置の点検作業がよりスムーズになり、信頼できる計測環境を構築できました。