目を悦ばせるだけでなく、そこに気を注ぎ、心を込めるという人間ならではの装飾に対する追求心が昇華した芸術形式。
本装丁の英題の一部であるFiligreeは金銀線細工の意味があり、ラテン語のfilum (糸)とgranum (種子)が語源。
本装丁は、1697年に出版されたヨハン・アルントの書である「Paradiesgartlein」の表紙を再現したもの。
銀箔張りで上品なテンドリルのモチーフは、まず銀のシートを型抜きし、その表面に精緻な溝を丹念に掘り込んで作られます。
美の世界に繰り広げられる銀色の静謐は、果てなく繰り返される精緻な作業の結晶。