建築用途から土木・農水産用資材など、幅広い分野で使われているポリカーボネート樹脂板です。
耐熱性に優れ引張り強さが高い。熱可塑性プラスチックの中ですぐれた部類に属し、高温下においてもクリープの値が小さく、応力緩和も高温下で優れています。合成樹脂の中で線膨張係数の小さい方に属していますがそれでも、金属の4~6倍と大きく、温度変化の大きい場合や大型加工品などでは、伸縮の余裕を十分に見込む必要があります。主鎖結合がエステル結合ですので、温水や蒸気に長時間触れると除々に加水分解(水による分解反応)が生じ、機械的性質が低下します。耐温水性・耐蒸気性はあまり良くありませんが、成形品の片面のみに温水が接する場合や、温水接触が断続的である場合は、実用上ほとんど問題ありません。プラスチックの中では燃えにくい部類に属しています。比熱は一般合成樹脂と大差なく、又鉄、銅等の約3倍、ガラスの約1.7倍に相当します。熱伝導率は、一般合成樹脂と大差はありませんが、ガラスの約1/4であり、又鉄の1/300、アルミニウムの1/1000、銅の1/2000と金属に比べて非常に小さいものです。一般的にアルコール、油類、塩類、弱酸などに安定であり、弱アルカリ、強酸にもある程度耐えます。しかし、強アルカリ、強酸、芳香族系炭化水素、塩素系炭化水素には膨潤、分解する傾向があります。紫外線に対してすぐれた耐久性をもっています。
材質ポリカーボネート
色透明
脆化温度(℃)-135(試験法ASTM D 764)
連続使用温度(℃)約-30(最低)約120(最高)
引張強度(MPa)34.3(120℃時)
曲げ強さ(MPa)93.1(常温20℃時)(試験法ASTM D 790)
熱伝導率(W/mk)0.19(試験法ASTM C 177)
比熱(J/kg・K)1.26×103
荷重たわみ温度(℃)140(試験法ASTM D 648、1.82MPa)
線膨張係数7.0×10-5/℃ (20~120℃において)(試験法ASTM D696)
屈折率1.585(25℃)
拡散光線透過率(%)1
曲げ弾性率(MPa)2350(常温20℃時)(試験法ASTM D 790)
衝撃強さ(J/m)780(アイゾット法ASTM D 256)
熱貫流率(W/m2・K)5.5
影響を与える主な薬品白化する(加水分解劣化)タイプ苛性ソーダ、苛性カリ、アンモニアなどの水溶液黄変するタイプ硝酸、過酸化水素などの水溶液、塩素膨潤白化するタイプベンゼン、トルエン、キシレン、ジオキサン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、トリクロロエチレン溶解するタイプメチレンクロライド、エチレンクロライド、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロホルム
最高許容応力/圧縮(MPa[kgf/cm2])間けつ負荷(室温):41.2(420)間けつ負荷(52℃空気中):23.5(240)間けつ負荷(100℃空気中):20.6(210)間けつ負荷(室温、湿気、蒸気中):41.2(420)永久負荷(室温):13.7(140)繰り返しまたは振動負荷:6.9(70)
最高許容応力/引張(MPa[kgf/cm2])間けつ負荷(室温):27.5(280)間けつ負荷(52℃空気中):23.5(240)間けつ負荷(100℃空気中):20.6(210)間けつ負荷(室温、湿気、蒸気中):27.5(280)永久負荷(室温):13.7(140)繰り返しまたは振動負荷:6.9(70)
ロックウェル硬度R119
RoHS指令(10物質対応)対応
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