309タイプは25Cr-12Niオーステナイト溶着金属を得る溶接棒で、Cr、Niの含有量が多く、耐熱性、耐食性にすぐれています。また数パーセントのフェライトを含むため耐割れ性も良好です。したがって、共金溶接、軟鋼とステンレス鋼の異種金属の接合、クラッド鋼の溶接に適しています。被覆タイプはライムチタニヤ系で作業性は良好です。
用途SUS309Sおよび耐熱鋳鋼の溶接。その他18Cr-8Niステンレス鋼と軟鋼の接合、ステンレスクラッド鋼の1層目の溶接または軟鋼上の耐食肉盛。
色棒端/黒
JIS規格Z3221 ES309-16
AWS規格A5.4 E309-16 該当
被覆ライムチタニヤ系
用途低炭素18Cr-12Ni-2.5Moステンレス鋼用。SUS316Lの溶接。
長さ(mm)1000
JIS規格Z3321 YS316L
AWS規格A5.9 ER316L 該当
用途18Cr-8Niステンレス鋼用。SUS304の共金溶接、その他SUS301、SUS302などの溶接。
長さ(mm)1000
JIS規格Z3321 YS308
AWS規格A5.9 ER308 該当
308タイプは19Crー9Niオーステナイト溶着金属を得る溶接棒で、耐久性、耐食性にすぐれ、オーステナイト系ステンレス鋼の中で各種化学工業、食品工業、建築などにもっとも広く用いられています。被覆タイプは、ライムチタニヤ系で作業性は良好です。
用途SUS304の共金溶接。その他SUS301、SUS302などの溶接。
色棒端/黄
JIS規格Z3221 ES308-16
被覆ライムチタニヤ系
316タイプは19Cr-12Ni-2Moオーステナイト溶着金属を得る溶接棒で、Moを含有しているため希硫酸、亜硫酸リン酸などの非酸化性酸に対する耐食性にすぐれています。また、高温での機械的性質にもすぐれていますので耐熱、耐食性の要求される溶接に適します。なお、溶着金属中に適量のフェライトを含んでいますので耐割れ性も良好です。被覆はライムチタニヤ系で作業性は良好です。
用途SUS316の溶接。軟鋼とステンレス鋼の異種金属の溶接。肉盛溶接の下盛。
色棒端/白
JIS規格Z3221 ES316-16
AWS規格A5.4 E316-16 該当
被覆ライムチタニヤ系
RoHS指令(10物質対応)対応
316Lタイプは低炭素19Cr-12Ni-2Moオーステナイト溶着金属を得る溶接棒で、316タイプに比べ低炭素なので耐粒界腐食性がすぐれています。したがって、316タイプよりも強い腐食環境に用いられます。被覆はライムチタニヤ系で作業性は良好です。
用途SUS316Lの溶接。
色棒端/緑
JIS規格Z3221 ES316L-16
AWS規格A5.4 E316L-16 該当
被覆ライムチタニヤ系
RoHS指令(10物質対応)対応
309Lタイプは低炭素25Cr-12Niオーステナイト溶着金属を得る溶接棒で、耐熱性、耐食性および耐割れ性にすぐれています。特に低炭素のため309タイプと比較して、クロム炭化物析出による粒界腐食に耐えることが特徴です。したがって、強い腐食環境に用いられます。被覆タイプはライムチタニヤ系で作業性は良好です。
用途SUS309Sおよび耐熱鋳鋼の溶接。その他ステンレスクラッド鋼の1層目の溶接
または軟鋼上の耐食肉盛。
棒長(mm)350
色棒端/黄緑-赤(側面)
JIS規格Z3221 ES309L-16
AWS規格A5.4 E309L-16該当
被覆ライムチタニヤ系
RoHS指令(10物質対応)対応
310タイプは25Cr-20Niを含む完全オーステナイトステンレス系溶着金属で、Cr、Niの含有量が多いため、耐食、耐熱、耐酸化性にすぐれ、また、靭性などの機械的性質も良好です。被覆タイプはライムチタニヤ系で作業性は良好です。
用途溶接棒と同組成のSUS310S、SCS18、SUH310などの溶接。
軟鋼とステンレス鋼、低合金鋼とステンレス鋼などの異材溶接。
色棒端/桃
JIS規格Z3221 ES310-16
AWS規格A5.4 E310-16 該当
被覆ライムチタニヤ系
用途18Cr-12Ni-2.5Moステンレス鋼用。SUS316の溶接。
長さ(mm)1000
色棒端/白
JIS規格Z3321 YS316
AWS規格A5.9 ER316 該当
RoHS指令(10物質対応)対応
用途22Cr-12Niステンレス鋼用、異材溶接用。
長さ(mm)1000
色棒端/黒
JIS規格Z3321 YS309
AWS規格A5.9 ER309 該当
RoHS指令(10物質対応)対応
用途低炭素18Cr-8Niステンレス鋼用。SUS304Lの溶接。
長さ(mm)1000
色棒端/赤
JIS規格Z3321 YS308L
AWS規格A5.9 ER308L 該当
RoHS指令(10物質対応)対応
308Lタイプは低炭素19Cr-9Niオーステナイト溶着金属を得る溶接棒で、耐熱性、耐食性にすぐれ、特に低炭素で、308タイプと比較して、クロム炭化物析出による粒界腐食に耐えることが特徴です。したがって強い腐食環境に用いられます。被覆タイプはライムチタニヤ系で作業性は良好です。
用途SUS304Lの溶接。
色棒端/赤
JIS規格Z3221 ES308L-16
AWS規格A5.4 E308L-16 該当
被覆ライムチタニヤ系
309Lタイプは低炭素25Cr-12Niオーステナイト溶着金属を得る溶接棒で、耐熱性、耐食性および耐割れ性にすぐれています。
特に低炭素のため309タイプと比較して、クロム炭化物析出による粒界腐食に耐えることが特徴です。
したがって、強い腐食環境に用いられます。被覆タイプはライムチタニヤ系で作業性は良好です。
なお、NSN-309Lは、スパッタを追放したノンスパッタタイプの溶接棒です。
用途SUS309Sおよび耐熱鋳鋼の溶接。その他ステンレスクラッド鋼の1層目の溶接または軟鋼上の耐食肉盛。
色棒端:黄緑-赤(側面)
棒長(mm)350
JIS規格Z3221
伸び(%)42.6
引張強度(MPa)579
AWS規格A5.4 E309L-16
RoHS指令(10物質対応)対応
0.2%耐力(MPa)425
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