モノタロウのSDGs豆知識

カーボンニュートラル

二酸化炭素(CO2)が増えると地球温暖化が進むとされています。大雨や猛暑といった異常気象が増えたり、地域の気候が変わったり、海の水位が上がったり、動植物の暮らしが変わることがあります。
SDGsの目標13では「気候変動に対する具体的な対策」を求めています。まずは、普段の生活から二酸化炭素を減らす行動を始めることが、地球温暖化を抑えるためには大切です。
近年、バイオマスプラマークやバイオマスマークなどの認証マーク付き製品を選ぶことで、モノづくりの過程でも二酸化炭素の削減にも貢献することができるようになってきました。この記事では、カーボンニュートラルの意味と、商品選びに役立つ認証マークについて分かりやすく紹介します。

カーボンニュートラルとは?

カーボンニュートラルとは、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの「排出量」と「吸収量・除去量」を均衡させ、実質的な排出をゼロにすることを目指す取り組みです。気候変動の主因であるCO2の増加により、猛暑・豪雨・海面上昇などの異常気象が世界中で深刻化しており、これはSDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」で最優先課題として位置づけられています。

企業活動や消費行動の中でCO2排出を抑え、再生可能エネルギーの利用や環境配慮型製品の選択によって、誰もがこの目標の達成に関わることが可能です。その一歩として、バイオマス素材を使った製品や認証マーク付き商品の選定が、現場から始める温暖化対策の糸口となるでしょう。

カーボンニュートラルがなぜ必要なのか、どういった取り組みができるか

温室効果ガス、とくに二酸化炭素(CO2)の増加が地球温暖化を加速させているとされ、異常気象の頻発や自然生態系への影響が深刻化しています。これに対して、CO2の排出量と吸収・除去量のバランスを取り、実質的な排出をゼロにする「カーボンニュートラル」が必要不可欠です。SDGsの目標13「気候変動に具体的な対策を」でも、この取り組みは重要な柱のひとつとされており、企業活動や消費行動を通じて、誰もが関与できる課題となっています。

日常的な行動としては、再生可能エネルギーの利用、省エネ製品の選択、環境配慮型素材の使用などが挙げられます。とくに、バイオマス資源を活用した製品を選ぶことは、化石燃料由来の素材を減らすことにつながり、カーボンニュートラルの実現に貢献するでしょう。このような製品には「バイオマスプラマーク」や「バイオマスマーク」といった認証が付されており、環境への配慮が客観的に示されているものとして注目されているのです。次の項では、それぞれの認証について詳しく紹介します。

カーボンニュートラルに貢献する認証マーク

地球温暖化対策として注目される「カーボンニュートラル」の実現には、私たちの身近な選択が重要なカギとなります。
環境への配慮が可視化された「認証マーク」は、その選択を後押しする有力なサインです。ここでは、バイオマスマークやバイオマスプラマークなど、製品選びで温室効果ガス抑制に貢献できる認証マークの仕組みと意味をひも解きます。

(1)バイオマスプラ(BP)マーク

バイオマスプラ(BP)マークは、バイオマス由来の原料を一部あるいは全量にわたって使用したプラスチック製品であることを示す認証マークです。一般社団法人日本バイオプラスチック協会(JBPA)が定める基準に基づき、安全性とバイオマスプラスチック度が25%以上であるバイオマス資源由来の原料でできたプラスチック製品に付与されます。
バイオマスプラスチック度とは、製品に使われているプラスチックのうち、植物などの再生可能資源から作られた成分の割合です。このマークは、石油由来のプラスチック使用量を削減し、CO2の排出抑制につながる製品選びの目印として活用されています。メリットとしては、環境負荷の低減に加え、廃棄時にも化石燃料使用量が減ることで温室効果ガスの削減に貢献できる点です。また、植物は成長過程で二酸化炭素を吸収するため、原料製造から二酸化炭素排出を抑止する効果もあります。
さらに、再生可能資源を利用することで、資源循環型の社会構築にも寄与します。この取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標15「陸の豊かさも守ろう」など、複数の目標達成に関連するものです。商品としては、BPマークが付されたごみ袋・食品容器・事務用品・包装資材などが代表例であり、日常の消費において環境配慮の選択肢を広げる手段となります。マークを確認し、製品情報を見ながら選ぶことで、カーボンニュートラルへの行動につなげることができます。

(2)バイオマスマーク

バイオマスマークは、再生可能な生物由来資源(バイオマス)を10%以上含む製品に付与される環境認証マークです。一般社団法人日本有機資源協会が運営しています。メリットとしては、温室効果ガスの排出抑制や資源循環への貢献が挙げられ、企業にとってはブランドイメージの向上や購買促進にもつながります。購入する側のメリットとしては、地球温暖化対策に貢献できたり、循環型社会の形成に寄与できたりすることなどです。他にも、品質や安全性が保証されている製品を購入できることもあげられます。また、消費者が環境に配慮した商品を選ぶ際の判断材料として機能する点も重要です。

この取り組みは、SDGsの目標12「つくる責任つかう責任」、目標13「気候変動に具体的な対策を」、目標15「陸の豊かさも守ろう」などに関連しています。商品例としては、トイレットペーパー・セロハンテープ・ポリ袋・ボールペン・包装フィルム・育苗ポット・壁紙・インキなどがあり、日用品から建材まで幅広く展開されているのが特徴です。マークを確認しながら選ぶことで、日常の消費行動が環境への貢献につながります。

カーボンニュートラルの普及のためにできることとは?

カーボンニュートラルを実現するためには、行政や企業だけでなく、私たち一人ひとりの行動が鍵となります。製品の選び方から、日常のエネルギー使用の見直しまで、役割に応じた選択と発信が普及のきっかけとなるでしょう。この章では、購入者と製造・販売者それぞれの立場から取り組める具体的なアクションを紹介します。

購入者ができるカーボンニュートラルへの貢献

購入者としてカーボンニュートラルを推進するための第一歩は、日常的に選ぶ商品の背景を意識することです。製品がどのような原材料で作られ、どれだけのCO2を排出するかを知ることは、気候変動対策につながります。とくに、バイオマス資源を活用した製品や、環境認証マークの付いた製品を積極的に選ぶことで、化石燃料依存の削減や資源循環の促進に貢献できるでしょう。買い物の際には、商品情報に記載された「バイオマスマーク」「バイオマスプラ(BP)マーク」などを確認する習慣をつけることで、カーボンニュートラルに資する選択が定着しやすくなります。

また、職場などで使用する事務用品や消耗品を、環境配慮型の商品に切り替えることで、団体としての取り組みにも広げられます。さらに、環境に関心のある商品選びの情報をSNSや社内で共有したり、周囲に啓発を促したりすることで、個人の意識が社会の行動に波及するきっかけにもなります。購入者の一つひとつの選択が、持続可能な社会の実現を支える力になるのです。

認証マークの見分け方と表示ルールを知ることも大事

環境認証マークは、製品の環境性能を客観的に示す手段として活用されますが、その表示場所や意味を正しく理解することが重要です。「バイオマスプラ(BP)マーク」や「バイオマスマーク」は、多くの場合、商品パッケージや製品ラベル、説明書き、あるいはオンライン販売ページの商品仕様欄などに記載されています。ただし、見た目が似たロゴや「環境に配慮した設計です」といった文言も散見されるため、正式な認証マークであるかどうかを確認する目が必要です。

環境認証は、それぞれの発行団体が定めた基準をクリアして付与されるものであり、単なる企業の自主表記とは根拠が異なります。購入者は、「マークの有無」「発行団体の名称」「製品仕様との整合性」をチェックすることで、信頼性の高い環境配慮型商品を選ぶ判断材料とできるでしょう。また、販売者が商品ページで認証マークの意味や取得根拠を明記していれば、消費者の理解と選択を後押しすることにもつながります。

製造・販売者ができるカーボンニュートラルへの貢献

製造・販売者がカーボンニュートラルに貢献するためには、製品のライフサイクル全体を見直す視点が重要です。原材料の選定から製造工程、流通、販売、廃棄に至るまで、各段階でのCO2排出量を把握し、削減に向けた取り組みを進めることが求められます。製造者にとっては、再生可能エネルギーの導入や省エネ設備への切り替えが基本施策となるのではないでしょうか。また、バイオマス素材の活用や、環境認証マーク(バイオマスマーク・BPマークなど)の取得によって、製品の環境価値を客観的に示すことが可能になります。これにより、消費者が環境配慮型の商品を選びやすくなり、企業としての信頼性も向上するでしょう。

販売者にとっては、環境認証付き商品の情報発信や陳列の工夫が貢献の鍵となります。商品ページやパッケージに認証マークの意味を明記することで、購入者の理解と選択を後押しする役割を果たせるでしょう。また、社内でのSDGs研修や、取引先との連携による環境配慮型商品の拡充も、普及促進につながります。製造・販売者がそれぞれの立場で「見える化」「選ばれる仕組み」「継続的改善」を意識することで、カーボンニュートラルの実現に向けた社会全体の動きが加速します。