病原菌に感染した植物は病原菌の菌糸を分解しようとし、病原菌の細胞壁に含まれるβ-グルカンが裁断された断片が生成されます。β-グルカン断片によって植物は傷害応答シグナルを全身に発信し、病害抵抗性を高めます。病原菌のβ-グルカンと酵母のβ-グルカンが似ているために、酵母細胞壁の断片を与えても、病原菌に感染したときと同様な反応が植物で起こります。 酵母のβ-グルカン断片を植物の葉や根に触れさせると、植物体の病害抵抗性が一時的に向上します。その後、傷害応答物質は減少しますが、かわりに生長ホルモンの生成など様々な生理活性が向上します。これにより発根や根活性の向上など生育促進作用が確認されています。