オーステナイト組織に適量のフェライトを含みますので割れ感受性が低く、溶接性が優れています。
溶接のままで、耐食性および機械的性質に優れた溶着金属が得られます。
下向き、水平すみ肉等の溶接に適した溶接作業性を有しています。
SUS304 t=1.5、t=2.0 φ50.8のパイプ溶接に使用。
炭酸ガスでシールドできるので経済的。スパッタは非常に少ない。この点には非常に満足。
スラグが柔らかく、下向き以外の姿勢で使うのは難しい。パルス幅は狭く設定しないとスラグを巻き込みやすい。長くビードを引いた時のスラグ離れは大変良い。
溶接姿勢、母材の段取り等を最適化し、ある程度のロットをスピーディに溶接していくなら有用なワイヤ。ワンオフ製作の場合は、スラグの柔らかさ故に融通が利かない所にもどかしさを感じる。
今後しばらくは、ソリッドワイヤでタック溶接してこのワイヤで本溶接する段取りを組む。なるべく下向きで長めのビードを引けるように製品を固定する方法に悩みそうである。