BK-550はC、Cr、Moを主成分とするセミオーステナイト組織を示す塩基性の硬化肉盛用溶接棒です。
溶着金属はマルテンサイトとオーステナイトの混合組織を示しますので、一般のマルテンサイト系溶着金属と比較すると硬さは低くなりますが、残留オーステナイトを多量に含むため靭性、耐割れ性にすぐれます。また、母材の希釈を受けても高硬度のマルテンサイト組織となりますので、薄肉盛(1層盛)でも耐摩耗性が得られます。さらに500〜600℃の温度範囲で焼戻し二次硬化があり、600℃までの焼戻し軟化抵抗を有しますので、600℃以下で使用する耐摩耗部品に適用できます。なお、肉盛のままで機械加工は困難です。