防音保護具の選び方

騒音環境に必要不可欠な防音保護具の性能は、主にNRR(ノイズ・リダクション・レイティング)という騒音の減衰を表す指数で表現されます。防音保護具の選択の際には、現場環境に合わせた適切なNRRの製品を選択することが必要です。 NRRの数値の見方を中心に、防音保護具の選び方について解説していきましょう。

防音保護具とは

防音保護具は、騒音環境から作業者を守るために必要不可欠な製品です。騒音が発生する環境下での作業は、騒音が作業者の集中の妨げになるのはもちろんのこと、長期的に騒音に晒され続けた場合、作業者の張力を損ねる危険性も孕んでいます。 適切な性能の防音保護具を装着することで、これらの問題を未然に防ぐことが可能です。

防音保護具には、耳栓(イヤープラグ)やイヤーマフなどの形式があり、それぞれの形式ごとに、防音性能やサイズなどによってさまざまなランクの製品が存在します。

耳栓(イヤープラグ)

主にウレタンやシリコンで出来た小さなパーツを外耳道に差し入れることで、物理的に外部からの騒音の侵入をある程度遮断するものです。防音保護具製品には、繰り返し利用するもの・使い捨てのもの、ワックスで処理された特殊な綿や、グラスファイバ綿で出来たものなどのバリエーションがあります。

イヤーマフ

頭部に取り付けるヘッドホン型の形状で、耳全体を覆い隠して騒音を遮断するものです。

NRR

NRRとは、防音保護具の性能を理解するうえで必ず押さえておくべき概念です。NRR(ノイズ・リダクション・レイティング)とは、騒音減衰指数ともいい、アメリカ合衆国環境保護庁が定める防音保護具などの遮音性能を示す数値(単位:dB、デシベル)になります。この数値が大きいほど遮音性能が高いです。

また、SNR(シングル・ナンバー・レイティング)というEUで採用されている別の指標も存在します。数値の算出方法が微妙に異なりますが、NRR、SNR共に数値が大きいほど遮音性能が高いことは同じです。また、日本ではNRRが使われることが一般的になっています。

適切なNRRとは

防音保護具で騒音を遮断したい場合には、適切な性能を見極めることが必要です。もしもオーバースペックな防音保護具を着用して作業に当たってしまった場合、聞き取らなければならない何らかのシグナル音や人の声までも遮断してしまうこととなり、かえって危険につながる可能性があります。 したがって、大切なのは過不足ない性能の防音保護具を選定することです。

現場で発生する騒音レベルから、防音保護具のNRRの値を引いた値が、80dBから84.9dBに収まるような防音保護具を使用するようにしましょう。つまり、仮に現場の騒音レベルが115dBで、NRR31dBの防音保護具を使用した場合、以下のようになります。

115dB-31dB = 84dB

この場合、騒音レベルから防音保護具のNRRの値を引いた値は適切な範囲内に収まっていることがわかるでしょう。参考までに、一般的な現場で発生する騒音について、その騒音レベルの例を下記にまとめます。

適切なNRRとは

選び方

防音保護具には、耳栓1つとっても非常に多種多様な製品が販売されています。最適な防音効果を得るためには、どのようにして防音保護具を選択すればよいのでしょうか。

騒音の音域を確認する

防音保護具の選択に際しては、使用したい現場で発生する騒音レベルと防音保護具のNRR値の差が重要であるということは前項で述べた通りです。

しかしながら、製品によっては、NRR値が音域ごとに表記されている場合があります。例えば、低い周波数帯ではNRR値が低く、高い周波数帯ではNRR値が高いとされている製品は、低音の騒音よりも高温の騒音の遮音に強いと判断することが可能です。 騒音をよりピンポイントに遮断したい場合は、このような製品を検討事項に入れると良いでしょう。

使用者のフィット感を重視する

外耳道の形状は、人によって千差万別です。耳栓タイプの防音保護具を使用する場合は、製品が使用者にきちんとフィットしているかどうかが何よりも重要な検討要素となります。 せっかく適切なNRR値の製品を選定しても、きちんと耳にフィットしない場合は期待する性能は得られません。どうしてもフィットする製品がない場合はイヤーマフタイプの製品を検討しても良いでしょう。

<まとめ>

防音保護具は、騒音から作業者を守り、快適な作業環境を実現してくれる現場の強い味方です。NRR値とフィット感の2点をポイントとして、適切な防音保護具を選択しましょう。


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