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電線の太さの選び方と規格換算表

電線といっても、その種類は様々です。たとえば屋内の絶縁電線をはじめ、屋外の架空配電線、ケーブルなどがありますが、それぞれの太さや長さはどのように定められているのでしょうか。また各国におけるサイズ表記の違いなどについて、電線を選ぶ際に必要な情報をご紹介します。

電線の太さと長さの関係

電線内を通過する電流は、その太さによって可能な量が決まってくるといわれており、太さと比例して電流量も増えるという認識が一般的です。しかし電線の長さは電気抵抗が影響し、長くなるほど供給できる電圧が下がるので、長さと電流量は反比例していることになります。つまり、長い電線は電気のロスを引き起こしているのです。

そのロスを防ぐためには、電源の近くで作業することが望まれますが、場合によっては不可能な場合もあります。たとえば電源の近くと離れた場所では、離れた場所のほうに太い電線が必要です。そのため、作業する場所と作業工具における電気容量を踏まえた上で、適している延長コードを選ばなければなりません。

電線の太さの選び方

電線の太さは負荷電流によって決まるだけでなく、屋内、屋外、地中などそれぞれの状況下においても異なってきます。

<屋内配線>

屋内配線には絶縁配線が使用され、その種類次第では同サイズであっても許容電流の量が異なります。たとえばビニル絶縁電線の耐熱温度は60℃であり、それに比べ架橋ポリエチレン絶縁電線は耐熱性に優れ、その温度は90℃です。そのため、電線のサイズを細くすることが可能であり、同一サイズでも架橋ポリエチレン絶縁電線のほうが、PVC絶縁電線よりも電流を多く流せることになります。

また温度の上昇は、電線管内や受棚上に配線する電線が、多条であり密着していることが関係していることをご存じでしょうか? その結果として放熱できずに温度が上昇してしまうので、電線をプラスチック管、金属管、金属ダクトに引き込む際には、3条以下なら22sqで、7~15条であれば38sq程度は準備しておきましょう。ちなみに構内配線が低圧で長い構造の場合は、電線サイズを電圧降下から決めることもあります。

<架空配電線>

屋外の架空電線はその厳しい環境下において、断線事故を防止することを最重要視しなければなりません。そのため、電線サイズは以下の耐張強度をもとに決めるようにしましょう。

  • 【電気設備技術基準(ケーブル以外)】
  • 300V以下の場合、引張り強さは3.44kN以上、または硬銅線が直径3.2mm以上
  • 300V以上の低圧電線・高圧架空電線を市街地に施設する場合、引張り強さは8.01kN以上、または硬銅線が直径5mm以上(市街地外の場合、引張り強さは5.26kN以上、または硬銅線が4mm以上)

電線の温度における制限はありますが、電線が空中で離れているので熱的な問題に互換性はなく、許容電力は電線の材質や太さによって決まります。

<地中電線路>

地中埋設電力ケーブルの特徴は、同じ許容電流でも必要な導体サイズが全く異なってくる点です。これはほかの電線では見られない特徴で、導体の太さが2倍以上になる場合も少なくありません。 これは絶縁の厚さが定格電圧により異なることと、絶縁物の種類とケーブルの構造が、ケーブルの種類によって異なるためです。また埋設している土壌の熱的要因が大きく関わってくるので、同じ布設方式や寸法であっても大幅に導体サイズは変わってきます。

<瞬時許容電流>

電線の種類や布設方式に関係なく、電線の負荷側において短絡が発生すれば、電線全体で短絡電流が通るものです。ただし負荷電流に比べ短絡電流は大きく、加熱によって絶縁強度・引張り強さは限界となり、条件以下になると使用不能となります。 瞬時許容電流は、導体の種類と太さによって決まるので、負荷電流では22sqで充分であっても、瞬時許容電流を考慮し100sqを必要とするケースもあると覚えておきましょう。

<超高圧架空電線>

超高圧架空電線ではコロナ放電が起こることを想定し、その発生を防ぐためのかなりの太さを必要とします。電圧が高くなるに比例して電線を太くする必要がありますが、単導体において限界がある場合は、複導体が利用されるのが一般的です。

SQとAWG、DIN規格の換算表

電線の太さは、日本では「SQ」と表記され、芯線の断面積であるスクエア―ミリメートルを略して「スケア」と呼んでいます。一方でアメリカの電線規格であるAWGや、ドイツの工業規格であるDINなどで表されている場合もあるので確認が必要です。

電線の太さは各国で表記が異なります

日本 SQ(JIS) 芯線の断面積の数値になります
アメリカ AWG アメリカンワイヤーゲージ
ドイツ DIN ディン、ダイン規格

圧着工具先端

現場でのSQ呼称 SQ(JIS)断面積(mm²) AWG DIN
- 0.3sq AWG22 0.34
- 0.5sq AWG20 0.5
- 0.75sq AWG18 0.75
イチニイゴ 1.25sq AWG16 1.5
ニスケ 2sq AWG14 2.5
サンテンゴ 3.5sq AWG12 4
ゴウテンゴ 5.5sq AWG10 6
ハチスケ 8sq AWG8 10
ジュウヨン 14sq AWG6 16
ニジュウニ 22sq AWG4 24
まとめ

それぞれの電線における太さの選び方と、表記の種類をご説明しました。ひと口に電線といっても、屋内、屋外、地中埋設など様々な電線があり、必要とする電線の太さもその状況や環境によって異なります。 また表記方法も各国の規格により変化するので、電線を選ぶ際は上記を参考してみてください。なお、モノタロウでは、作業内容に合った太さの電線に対応できるよう、絶縁電線やケーブルを数多く揃えてあります。