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潤滑剤トラブルの防止策

機械の潤滑には、さまざまなトラブルがつきもの。そんなトラブルを防ぐためには、温度・速度・荷重・運動の方向などの使用条件や、寸法・形状・強度・表面の粗さなど、摩擦面材料、そして、潤滑剤の種類・粘度・ちょう度、給油の方法などの潤滑において、各条件の整理・検討をすることが重要です。ここでは、潤滑剤にまつわるトラブルとその防止策について解説します。

潤滑上のトラブルについて

潤滑に際してのトラブルには、発生の原因と対策方法があります。基本的なトラブルの防止については、以下をご参考ください。

長い間潤滑油を交換しなかったことで機械に発熱が起きた場合

稼働率が高い機械は、長期間に渡り、メンテナンスが行われない場合があります。そうすると、ギヤオイルが変質を起こし、潤滑不良を引き起こしてしまいます。潤滑不良は機械の異音や発熱の原因となりますので、潤滑油のメンテナンスは定期的に行うことがトラブル防止のポイントと言えるでしょう。

また、汎用旋盤における潤滑油(ブレーキオイル)は、長期間同じものを使っていると、ブレーキ内部の金属が腐食し損傷を起こす可能性があります。油圧ブレーキは、使用年数や走行距離により、定期的に油圧の負荷がかかる部分のシールを交換します。また、その際に、専用の潤滑グリスを塗ることで、配管やシリンダ内部の正しい潤滑や効果的な防錆を行います。

グリスの供給が不十分なことによるトラブルの場合

グリスが全ての軸受に供給されていないと、焼き付きの原因になります。グリスの自動供給設備を使用している場合でも安心はできません。供給配管に亀裂が入るトラブルもあります。グリスが潤滑の必要箇所全てに供給されているか、また、配管の状態に異常はないか、しっかりと確認するようにしましょう。

使用する潤滑油の規定量を誤ってしまった場合

減速機を使用している場合には、潤滑油(ギヤオイル)の量がきちんと規定位置にあるかどうかをチェックしましょう。規定位置を下回っていると、ギヤの焼き付きの原因になり、規定位置を上回っていると、発熱の原因にもなります。潤滑油の定期的な点検は、トラブル防止に欠かせません。

使用する潤滑油の種類を間違えてしまった場合

例えば空気圧装置に専用の潤滑油以外のものを使用してしまうと、エアシリンダが固着するなどのトラブルにつながります。空気圧装置の潤滑の際は、エアシリンダに最初から封入されていたグリスや、ルブリケータの専用オイルを使うようにしましょう。機械や装置に応じて専用の潤滑剤がある場合は、基本はそちらを使用することを推奨いたします。

潤滑油中の水分が原因のトラブルについて

潤滑油の中には、空気をはじめ水や、ゴミ・錆び粉・摩耗粉といった固形の混入物など、不純物が混在しています。いずれもしっかり管理しておかないと機械トラブルの原因になってしまいますが、ここではその中でも「水分」についてのトラブル対策を見てみましょう。

潤滑油に水分が入ってしまった場合

潤滑油に含まれる水分の量が多いと、装置内部の腐食や、潤滑不良、潤滑油自体の性能や寿命低下につながってしまいます。潤滑油内に含まれる水分量を測定する機器を使用し、どれだけ水分が含まれているのかチェックするようにしましょう。グリコール系やアルコール系の潤滑油は、目で見て水分の状態を確認することができませんので、機器を使って確認することがポイント。含水量が思わぬ機械トラブルにつながってしまわないよう、しっかりとチェックするようにしましょう。

ブレーキオイルに水分が入ってしまった場合

車両で使用される油圧ブレーキに使われる油圧用オイル(ブレーキオイル)では、グリコールやアルコールを主成分としたオイルが使用されますが、このタイプのオイルは水分などを吸収する特徴を持っています。そのため、ブレーキオイルへの水分の混入が、配管内部の腐食を引き起こしてしまいます。ブレーキオイルは定期的に、油圧配管内を含め、すべての量を交換する必要があります。ブレーキオイルを長期間交換しないと、配管をはじめ、ブレーキの部品全体の腐食にもつながってしまうため、しっかりとメンテナンスを行うようにしましょう。

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