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RO(メンブラン)の特長と原理

RO(メンブラン)、または逆浸透膜とは、不純物の含まれた液体から水の分子だけを濾し取ることができる特殊な性質を持つ膜のことです。RO(メンブラン)の技術は、単純なようで複雑な浸透圧の原理を利用しています。その仕組みや特長とはいったいどのようなものでしょうか。

ROとは

ROメンブランとは、Reverse Osmosis Membrane、すなわち逆浸透膜のことです。メンブランは膜を意味しています。その存在は18世紀の科学者たちにはすでに知られていたものの、長らくの間重要視されることはなく、初めて実用化に成功したのは20世紀の半ばでした。 当初の開発計画は、飲用水不足の解消のための海水淡水化を目指したものでしたが、今でも主な用途は海水淡水化となっています。その他の用途は、上下水の浄水処理、ジュースや牛乳などの飲料の濃縮、家庭用浄水器、薬品の濃縮などさまざまです。

RO(メンブラン)の原理

濃度の違う2種類の液体を浸透膜(または半透膜)で隔てると、浸透圧差によって濃度の薄い液体中の水分が膜を通過して、濃度の濃い液体のほうへと自然に移動します。 この働きを浸透圧と呼びますが、このとき濃度の濃い液体側に浸透圧の大きさを越える強度の圧力を人工的に加えると、濃い液体中の水分を薄い液体中へ移行させることが可能です。そしてこの働きを「逆浸透圧」と呼び、このとき使用する水分子しか透過させない特殊な膜が逆浸透膜、すなわちROメンブランとなります。

ただひと口にROメンブランといっても、膜の種類によって呼び名が変わることをご存じでしょうか。たとえば、家庭用浄水器などに使用される、水道水を純水化する膜のことをTFC膜と呼びます。 工程としては、水道水に活性炭フィルターを用いて微粒子、塩素処理を行い、昇圧ポンプによってROメンブランに加圧して純水を得る流れです。

またROは加圧側の濃度が上昇するにつれて、次第に透過に要する圧力が増していきます。最終的には透過することができなくなるため、加圧側のすべての水分を透過させることはできません。同じ濃度の液体から純水を取り出す場合でも、液体の温度が低いと濾過効率は下がります。これは、低温下では逆浸透に要する圧力が大きくなるためです。

したがって、逆浸透装置では冬季に低温の液体を使用する場合でも、効率を維持できるように最大圧力に余裕を持たせておくか、液体の加温設備を設けておく必要があります。ちなみに膜を透過しなかった不純物が膜状に溜まり、濾過効率が下がるケースも少なくありません。 これは高濃度側の液体に逆浸透膜に沿うような流れを作ることで、膜への不純物の堆積を防いで濾過効率を維持できますので、技法のひとつとして覚えておきましょう。

ROが通さないもの

濾過には、取り除ける不純物の大きさごとに4つの段階があります。まずもっとも粗い濾過は、デンプン粒や赤血球、酵母を取り除ける粗濾過です。 次に、酵母、細菌、インフルエンザウイルスなどを取り除ける精密膜濾過があり、続いてタバコモザイクウイルスやポリオウイルス、ヘモグロビン、チトクロームCなどを濾過できる限外濾過。そしてもっとも精密な濾過が逆浸透膜です。 逆浸透膜はこれら全ての不純物に加えて、イオン類までも通過することができないので、事実上は水分子以外の全てのものを通しません。

ROメンブランには、およそ2ナノメートル以下の径の微細な孔が開いています。水の分子の大きさは約0.38ナノメートルなので、基本的にはこの孔を通過することが可能です。 しかしながら逆浸透における濾過は、単に孔の直径だけの問題ではなく、より複雑な仕組みとなっています。たとえば海水から淡水を得る海水淡水化逆浸透においては、海水中のナトリウムイオンはROメンブランの孔を通過できませんが、ナトリウムイオンの径は0.12ナノメートル程度であり、ROメンブランの孔よりも微細です。 とはいえ、実際には水和によってナトリウムイオンに水分子が配位し、ナトリウムイオンの大きさが実際よりも数倍程度大きくなったかのように変化するため、ROメンブランの孔を通過することができなくなっています。

ROが通さないもの

<まとめ>

RO(メンブラン)は、不純物の含まれる海水などの液体に圧力をかけることで、逆浸透膜を通して水だけを分離することができる技法です。 現在でも海水淡水化や飲料の濃縮などさまざまな用途に応用されている技術ではありますが、今後は宇宙船や地球以外の惑星での水分の確保・有効利用などといった、宇宙開発分野でも活用されていくことが期待されます。