防振手袋の選び方
防振手袋とは
防振手袋とは、手腕かかる局所的な振動を防止するために用いる用具のことです。なぜ振動を防止する必要があるのかといえば、たとえばグラインダーや刈払機などを長時間使用したあと、手腕にしびれや痛みなどが起こることがあります。 また作業終了の翌日以降にもしびれや痛みが続き、疲れもとれないといった症状に悩まされるケースも考えられるでしょう。
本来であればこれらの症状は数日でおさまりますが、作業を毎日続けるなどして慢性的になった場合、振動障害という障害を発症してしまいます。一度発症すると完治は難しいと言われており、現状では緩和に努めるしか改善方法はありません。 この振動障害を事前に防ぐ効果があるのが防振手袋なのです。
防振手袋の選び方のポイント
防振手袋を使用するにあたっては、大きくふたつのポイントをおさえておく必要があります。ポイント別に見ていきましょう。
防振手袋には、製品が満たすべき性能を定めた工業規格があります。この工業規格は、振動をどれだけおさえることができるかを要件として調査するもの。 要件を満たした製品には認定との記載がありますので、より防振性能の高い手袋を選ぶ際の参考になるはずです。防振手袋を選ぶ際には製品の説明欄を見て、工業規格の基準値クリアなどの記載があるかどうかをチェックしてから購入するようにしましょう。
防振手袋に限った話ではありませんが、やはり自分の手の大きさに合ったサイズを選ぶことは大切です。手の大きさに合っていない防振手袋を使用した場合、工具の使い勝手の低下はもちろん、本来の防振性能を得られない可能性があります。 また使い勝手の低下により、振動障害以外の被害リスクが高まりますので、安全性を担保するためにも試着するなどして選ぶようにしましょう。
作業内容に応じた選び方
前項の選び方のポイントを踏まえて、作業内容に応じて防振手袋を選ぶことで、より自分に適した製品を見つけることができます。いまもっともメインとする作業に合った項目をチェックしてみてください。
グラインダーをはじめとした火花および粉じんが飛ぶ作業をメインしている方は、天然皮革タイプの製品を選びましょう。耐久性に優れている上、柔らかい質感で作業もスムーズに進みます。 ボタン操作など指先を使った細かい作業がある場合は、指の半分が露出する半指タイプを選ぶと便利です。また手甲を厚く保護してくれる網み手タイプは、粉じんが入りにくく作業効率にも優れています。
刈払機やチェーンソーなどの重厚な工具を使用する作業がメインの方は、網み手タイプか耐切創性のタイプを選ぶとよいでしょう。前者は通気性や作業性に優れており、長時間かつ細かい作業をする際にとても便利です。 後者は刃物などの傷から守ってくれるタイプなので、森の中で枝などが生い茂っている場所での作業で活躍します。ちなみに人工皮革タイプであれば、雨天時にも変質しにくいので耐久性を求める方にはおすすめです。
削岩機をはじめとした水を使用する作業がメインの方は、防水性のあるオールコートタイプを選びましょう。手袋の表面にすべり止めがついている製品も多いので、作業性も損ないません。 ただし、油が伴う作業だとオールコートタイプでは心もとないために、ニトリルコートタイプを着用することをおすすめします。
防振手袋を使用すれば、振動障害のリスクを下げることができます。上記を参考に自分に合った防振手袋を選んでみてください。なお、防振手袋を使用したからといってリスクがゼロになるわけではありませんので、長時間の作業時には休憩を挟むなどして別の対策も併せて行うようにしましょう。