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角砥石の種類と使い方

刃物などの道具類の手入れのために広く愛用されている角砥石は、工業用から一般家庭用まで様々な所で使われています。直方体の形の角砥石は、昔からいわゆる砥石として呼ばれていますが、その構造や用途、使い方などを解説していきたいと思います。

角砥石とは

角砥石とは、一般的には砥石といわれ広く普及しているものです。人為的に作成された角砥石としては、人造の研削材を主原料に成型・焼成した人造砥石と、自然物から作成された天然砥石があります。砥石の用途別としては、包丁など刃が欠けているのを直す荒砥石、ステンレス包丁から打ち刃物まで幅広く使われ、ステンレス包丁の仕上げ用としての中砥石、また、包丁の耐久性をあげたい、切れ味を長く保ちたい時に使用する仕上げ砥石の3種類あります。用途に沿って使ってください。

角砥石の構造

砥石は「砥粒」「母材」「気泡」で構成されています。天然砥石では微生物の化石などが砥粒となり、それを固めている粘土が母材となります。人造砥石は、天然砥石を科学的に解析して、研磨材となる砥粒を人工の樹脂やセラミックなどの結合材で固めたものです。砥石で刃物を研ぐことで母材の中の砥粒が研磨要素となり、砥石本体の砥粒と母材が削れます。さらに研ぎ続けることで、母材に残った砥粒と削れた砥粒と母材の両方が効果的に刃物を削ることができます。現在は、ほとんどの砥石鉱山が廃坑しているため、天然砥石は非常に貴重となります。そのため砥石といえば、人造砥石が一般的であり広く普及しています。

角砥石の構造

角砥石の用途

砥石は荒砥石、中砥石、仕上げ砥石と大きく3種類に分かれています。これは粒度によって分かれていて、粒度とは砥石の中に含まれる「砥粒」の大きさによって区分けされており、それぞれ工程により使い分けがされています。JIS規格では「#」で始まる数字で表示され、数字が小さいほど粒が大きく荒いもの、数字が大きいほど粒が小さく細かいものになります。

荒砥石(#80~#400)

刃が欠けた時や、刃直しに使います。普通の包丁研ぎには使わないようにしてください。

中砥石(#700~#1000)

切れ味が悪くなった時に使います。日常使用であればこの中砥石だけで十分です。荒砥石を使ったあとに傷消しや研磨をして仕上げに使います。

仕上げ砥石(#3000~8000)

さらに鋭利な刃先として仕上げるために使うもので、プロの料理人などが使います。一般家庭ではあまり使いません。

角砥石の用途

角砥石の使い方

まず、人造砥石を水に浸し、十分に水を含ませます。桶などにあらかじめ水を張っておき、10~20分程度浸しておきます。最初は気泡が出ますが、時間が経つと止まります。気泡が止まったら砥石が十分に水を含んだ状態となるので使用を始めてください。包丁を研ぐ際に最も大事なことは砥石に接する刃の角度を一定にすることです。砥石は肘より少し下で、へそ辺りの位置に置き、専用の台や濡れ雑巾の上に置きます。包丁は利き手でハンドル部分を持ち、包丁刃の背部分の峰、ハンドルに近い刃部分のあごを人差し指、親指で固定することで安定します。

包丁を持ったら刃の部分を手前にし、砥石の上に置きます。利き手でない手の人差し指、中指を研ぐ刃の部分に軽くあて、砥石に対し約45度の角度で、あまり力を入れずに前後に動かしていきます。研いでいくうちに水が黒くなっていきますが、この研ぎ汁は刃を研ぐための補助効果をもたらし、さらに包丁研ぎが進みますので流さないようにしましょう。刃を研いでいくと、刃先に刃返り(バリ・めくれ)ができ、手で触ると分かります。包丁の刃の切っ先からあごまで全体に刃返りが出来たら、刃返りを取るために反対面も1~2回研ぎます。ここまでで砥石を使った包丁研ぎは終了となります。その後、包丁で新聞紙を切ってみて、ひっかかることなくスムーズに切れれば完了です。

手入れの仕方

砥石は包丁など刃物を研ぐと、砥石自体も削れるため必ずへこみます。へこんだままの砥石で刃物を研ぐと正確な刃がつかなくなりますので、砥石を使ったら必ず面直し用の砥石を使って平らになるまで削ってください。へこんでいるとその部分が黒くなっていますので、黒い部分がなくなるまで削れば完了です。しっかり水気を取って日陰の湿気がないところに保管して下さい。

用途に合った砥石を使うことで刃物を長く使うことができます。是非用途に合った砥石を使って包丁などの道具を大切にして下さい。その際、使う砥石の手入れも忘れずにして下さい。