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キャブタイヤケーブルとキャブタイヤコードの種類

キャブタイヤケーブルとは、作業現場などにおいて、通電状態で移動可能な電力供給ケーブルのことです。キャブタイヤケーブルの構造は、中心部に導体、またその周りを包む絶縁体、一番外周りを覆うシースからなります。中心部の導体は電気が通る部分であり金属でできています。絶縁体は導体を保護する役目と電気を遮断することが目的で導体を覆っています。シースはキャブタイヤケーブルの一番外側の部分で絶縁体を保護する役目を負っています。キャブタイヤケーブルを構成しているこの3つの素材や芯数により、電気の許容量が変わり、使い方や用途も変わってきます。また、キャブタイヤコードは300V(ボルト)以下の小型電気器具などに使用するケーブルの呼称です。

キャブタイヤケーブルの種類

キャブタイヤケーブルは素材とグレードにより種類を分けることができます。ケーブルを覆っている素材ではゴム系とビニル系の2種類に分けることができます。また、ゴム系、ビニル系ともにグレード分けされており、ゴム系のキャブタイヤケーブルはPNCT、CT、RNCTの3種類に、ビニル系のキャブタイヤケーブルはVCT、VCTFの2種類に分けることができます。ゴム系キャブタイヤケーブルはそのグレードにより1種から4種に分かれています。ビニル系キャブタイヤケーブルは、その許容電圧量により、300V(ボルト)以下はキャブタイヤコードと言われています。

ゴム系キャブタイヤケーブル PNCT・CT・RNCTとグレード

PNCTは絶縁体の素材がEPゴム(エチレンプロピレンゴム)で、シースの素材がクロロプレンゴム(ネオプレン)でできているキャブタイヤケーブルです。CTは絶縁体、シースのそれぞれの素材が天然ゴムでできているキャブタイヤケーブルです。RNCTは絶縁体の素材が天然ゴム、シースの素材がクロロプレンゴム(ネオプレン)でできているキャブタイヤケーブルです。

1種のキャブタイヤケーブルは絶縁体、シースの素材が天然ゴムのみでありその他の素材はありません。現在は2種へ統合化されています。

2種のキャブタイヤケーブルは最も使われているキャブタイヤケーブルで、2PNCTを指すことがほとんどです。汎用性が高い低圧用のケーブルで屋内、屋外ともに使われています。導体、ゴム絶縁体、シースと基本的な構造でシースの補強層がないため、衝撃があるような場所には向きません。

3種のキャブタイヤケーブルはシースに補強層があり、絶縁体、シースともに2種よりも厚くなっています。耐衝撃性、耐磨耗性に優れているため、損傷を受ける恐れがある現場で使われます。

4種のキャブタイヤケーブルは線心の間にクレードルコア(座床)が入っていて、シースがより厚くなっています。3種よりさらに耐衝撃性、耐摩耗性の強度が強くなっています。そのため、炭鉱におけるコールカッターなど過酷な状況で使用されています。

キャブタイヤケーブルとキャブタイヤコードの種類

ビニル系キャブタイヤケーブルとキャブタイヤコードの構造と種類

ビニル系のキャブタイヤケーブルは、絶縁体とシースの素材がビニルで出来ています。ゴム系キャブタイヤケーブルに比べて、柔軟性、耐水性、耐熱性に優れています。FA(ファクトリーオートメーション)工場などの工場自動化の配線等に使用されることが多くなっています。ビニル系キャブタイヤケーブルのVCTとVCTFの違いは、電圧の違いです。VCTは600V(ボルト)以下、VCTFは300V(ボルト)以下で使用可能となっており、600V(ボルト)以下の電路に使用可能なケーブルをキャブタイヤケーブル、300V(ボルト)以下の小型電気器具などに使用するケーブルはキャブタイヤコードといわれています。

エコキャブタイヤケーブル

キャブタイヤケーブルの中でも、絶縁体やシースに、ゴムやビニルの素材を使わずに地球環境に配慮した素材を使ったエコキャブタイヤケーブルがあります。従来のキャブタイヤケーブルと区別するため"EM-"を電線名の頭につけています。

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