避雷針と避雷器の違い 【通販モノタロウ】
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避雷針と避雷器の違い

雷対策としてまず思い浮かべるのは「避雷針」だという方も多いでしょう。しかし、建物だけでなく電気機器を雷の膨大なエネルギーから守るためには「避雷器」の設置も欠かせません。この二つにはどのような違いがあるのか、それぞれの役割を踏まえながらご紹介していきます。

避雷針とは

避雷針とは、直撃雷を誘導して建物自体やその中の人間・動物を保護するための装置のこと。建造物の屋根や屋上に針のような受電部を設置し、そこから建物内部(コンクリートの中など)を通って地面へと導線が続きます。 「避雷」という名がついていますが、雷を避けるわけではなく、むしろ雷が建物に直接落ちないように受電部に誘導するためのものです。

雷雲から直接対象に落雷することを「直撃雷」と言います。その放電電流は非常に大きく、数百kAになることも。雷が建造物に直撃してしまうと、その膨大なエネルギーによって人体の損傷や建物の火災が起こってしまうでしょう。

これを防ぐために設置するのが避雷針です。受電部で捕捉した雷電流は、引き下げ導線システムによってそのまま導線を通り、設置極システムによって地面(アース)に安全に放電されます。 つまり避雷針は、人身事故・建物の火災・その他諸設備への被害を防ぐことが目的の設備であるということです。高さ20m以上の建物には避雷針の設置が義務付けられています。

ちなみに避雷針の保護できる範囲は、雷電流の大きさや方向によるため一概には言えません。日本工業規格では、回転球体法(電撃距離の半径を用いた方法)や保護角法(避雷針上端の鉛直線に対する保護角内を範囲とする方法)によって避雷針の配置を定めています。

しかし避雷針だけでは、誘導雷から電気機器の被害を完全に防ぐことができません。避雷針から大地に雷電流が逃がされる際には、まず構造体全体の電位が数十kV近くまで上昇し、建物内の機器に放電したり誘導雷サージを発生させたりしていきます。 そのため、避雷針だけでは建物や人命を守ることはできても、パソコンや電子機器を守り切ることができないのです。

避雷器とは

避雷器とは、雷から電子機器や電子設備を守る装置のこと。SPD(Surge Protective Device)とも呼ばれ、1個以上の非線形素子(GDT、MOV、ABDなど)で構成されています。電柱やアンテナ、電話線、分電盤などに取り付けることで、落雷時の誘導雷による異常電圧や誘導電流からパソコンや電気機器などを守ることができるものです。

雷のエネルギーは凄まじく、避雷針を設置していても地面に雷電流を流す際には一部が建物内に侵入し、激しい電磁界の乱れにより雷サージ(非常に高い電圧が発生し、強力な電流が流れること)が起こります。この激しい電流は、たとえ一瞬でも電子機器・電気機器の故障の大きな原因に。特に低圧機器などは一瞬で再起不能になってしまうでしょう。 またパソコンなどの通信機器が雷で故障するほとんどの原因は、誘導雷によるものです。誘導雷とは、直接落雷していなくても、電源線・通信ケーブル、接地ラインなどを伝ってくる大きな電圧・電流のこと。電線などに落雷しても誘導雷は侵入してくるので、その建物に直接落雷していなくてもパソコンや電気機器に影響が出てしまいます。

これを防ぐことができる装置が、避雷器です。避雷器は過度な電圧を制限し、電流を分流させることができます。雷サージによって本来は一瞬で高電圧になるところを、瞬時に高抵抗から低抵抗になり、また高抵抗に戻るという避雷器の機能によって、電源線や接地ラインからの雷サージを流すことが可能となるのです。 そのため、電気機器や電子機器を保護することができるでしょう。

近年は避雷器に関するJIS規格も整備され、その評価方法も購入時に確認できるようになりました。避雷器はその目的に応じて「電源用」と「通信・信号回路用」に分類されており、それぞれ性能テストが異なります。

電源用

設置場所に応じてクラスを使い分けると良いでしょう。電源の引き込み口にはクラスIを、分電盤内や制御盤内にはクラスIIを設置します。

クラス 試験波形 主な設置場所 対象雷
I 電流波形(10/350μs) 電力引込口(引込盤内) 直撃雷が分流する可能性の場所 直撃雷
II 電流波形(8/20μs) 分電盤内、制御盤内 誘導雷が侵入する場所 誘導雷
III コンビネーション波形 電気・電子機器の近傍 過電圧に弱い機器 誘導雷
通信・信号回路用

設置場所に応じるというよりも複数の試験によってひとつの製品を多面的に評価することがポイントです。通信回線では誘導雷の侵入が大部分なので、カテゴリCの試験に重点を置くと良いでしょう。

カテゴリ 試験の種類 開回路電圧 開回路電圧 最小印加回数 対象雷
C1 早い上昇率 0.5kVまたは1kV 0.25kAまたは0.5kA 300 直撃雷
1.2/50 8月20日
C2 2kV・4kVまたは10kV 1kA、2kAまたは5kA 10 誘導雷
1.2/50 8月20日
D1 高いエネルギー ≧1kV 0.5kA、1kAまたは2.5kA 2 誘導雷
10/350

<まとめ>

雷は自然発生のため避けることが難しいかもしれませんが、避雷針・避雷器を準備しておくことで万が一の時のダメージを最小限に抑えることができます。避雷針は人命と建物を守るもの、避雷器は電子機器・電子機器を守るものという違いを踏まえ、最適な装置を設置しておきましょう。


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